クリーニングに関する情報研究委員会
委員長 牛田 智(武庫川女子大学・教授)
今回のセミナーは、クリーニング工場の見学と講演を組み合わせ、下記の要領で行いました。見学といっても単に機械や工程の見学ではなく、水洗い不可で石油系溶剤指定の服など、クリーニングが難しい服を1−2着ご持参いただき、実際にご自分の衣服を洗濯していただきました。
クリーニングが難しい衣服の場合、アパレルメーカーは、より無難な洗濯絵表示をつけることになりますが、水洗い不可の服でも実際には水洗い可能であったり、クリーニング店なら問題なく水洗いできる場合もあり、表示が実態に合っていないという問題があります。そんな中、国際標準化への流れから、絵表示を変えようという流れがあります。JISの洗濯絵表示を、ISOに準拠したものに変更しようという取り組みです。表示の図柄と意味はほぼ確定していましたが、変更された絵表示それぞれに対応する洗い方とはどういう洗い方になるのか、その絵表示の洗い方でどの程度の機械力が加わることになるのか等々、解明しなくてはならないことも多く、検討が加えられてきました。特にアパレル側は、かなり細分化されるであろう絵表示から、どれが適切かを判断するためには、その絵表示の洗濯でかかる機械力がどの程度なのか、といったことなどの把握が必要です。このようなことを踏まえ、絵表示の国際標準化への流れや、それに関連する様々な検討結果を、荻野氏と相馬氏に講演していただきました。
また、午前中に見学・実技体験をさせていただいた、クリーンサワの社長、澤氏には、ご自身が開発された新洗浄機にかかわる洗浄理論について講演いただきました。
[期日] 2005年3月17日(木) <終了しました>
[会場] 午前:クリーンサワ(641-0043 和歌山市宇須1-1-33)
午後:サンピア和歌山 研修室<高野> http://www.kjp.or.jp/hp_76/
(641-0051 和歌山市西高松1-7-87 TEL:073-436-8111 )
クリーンサワへの交通手段
車 :阪和自動車道,和歌山I.C.より20分
電車:JR和歌山駅(阪和線・紀勢本線),和歌山市駅(南海電鉄)下車。駅前より和歌山バスで、和歌浦方面行きに乗り約20分。車庫前下車,又は,両駅より約3−4km、タクシー約10分。
地図は学会誌2月号p9に掲載されています。また、クリーンサワは、サンピア和歌山から北東500mほどの所にありますが、サンピア和歌山のホームページ http://www.kjp.or.jp/hp_76/から、広域図、さらには詳細地図をご覧いただけます。詳細地図の中心はサンピア和歌山ですので、サンピア和歌山が左下に来るように地図を動かしていただくと、右上に、「勝利亭」や「宇須ガレージ」が表示されますが、そのあたりが、宇須1−1です。
[内容]
9:30 受付開始
10:00 クリーニング工場(クリーンサワ)の見学および実技体験
クリーンサワは、「衣服生活文化の向上を目指し、お客様に納得して頂ける品質・サービスを提供していく」を経営理念に、徹底したお客様とのコミュニケーションを実践し、最高品質でお客様の手元にお届けするをモットーにしておられる、先進的なクリーニング店です。
−−−− 昼 食 −−−−
13:00 [講演1]「絵表示の国際化−ISO基準によるJISの見直し」
・・・(株)ダーバン 相馬成男、荻野テキスタイル研究所 荻野 勝
ISOに準拠した新しい絵表示の内容と、各絵表示に対応する洗い方はどのような洗い方かなど、具体的に絵表示が変わった時にどう対応すればよいかについて、データもまじえ、詳細にお話いただきました。
−−−− 休 憩 −−−−
15:10 [講演2]「新洗浄理論(グリーンDry)」・・・(株)クリーンサワ 澤 浩平
澤氏は、水を1滴も外部に流さず、かつ、洗剤を必要としないドライクリーニング用新洗浄機「グリーンDry」を開発されました。カラーセンサーにて汚れを検知してコンピューターによる数値制御と連続蒸留装置で常時新液で洗浄するというシステムで、石油系の洗剤を使用しないため洗剤独特の臭いもしません。洗濯機からの排出物は一切無く、環境負荷は非常に低いシステムです。午前中の実技体験を踏まえ、この新洗浄理論について、お話いただきました。
[定 員] 午前・午後:30名、午後のみ:50名(計80名)
[参加費]
正会員<学校・官公庁関係>5,000円(ただし午後のみの参加の場合は3,000円)
正会員(団体・企業関係)7,000円(ただし午後のみの参加の場合は4,000円)
学生会員2,000円(ただし午後のみの参加の場合は1,500円)
非会員9,000円(ただし午後のみの参加の場合は5,000円)