クリーニングに関する情報研究委員会
委員長 牛田 智(武庫川女子大学・教授)
繊維製品の取扱い絵表示は、家庭用品品質表示法で義務づけられ、JISにL 0217として日本独自に規定されています。絵表示については、国際規格としてはISO 3758が存在し、世界で使用可能な規格としての改訂が進められてきました。この動きは10年以上前からあるにもかかわらず、なかなか決まりませんでしたが、近い将来に確定する見通しとなっています。
ISO 3758の改正が行われることに伴って、基準の国際整合化の観点から、国内の規格もISOに合わせた形にすべく、JIS L 0217の改正に向けての動きが始まっています。さらに、ISO 3758の関連規格で、その絵表示を選択するための試験方法であるISO 6330(家庭洗濯・乾燥試験方法)の見直しも進められており、新たなJIS L 0217とどう関連させるかについても課題になります。
本学会でも、(株)消費科学研究所の西川哲二氏のお世話による「洗濯と絵表示を考える」の連載が、学会誌2009年の7月号から掲載されて来ました。今回のJIS L 0217の改正が、単純に絵表示の図柄が変わると言うわけではないことから、様々な問題点が指摘されています。家庭洗濯でも商業洗濯でも国情の違いがあり、その絵表示を選択するための基準がどうなるのか不透明な部分が多い状況です。
この問題については、今後も本学会で逐次、取り上げられていくことになると思いますが、なかなか情報が無い中、まずは現状を把握していただこうと、第1回目のセミナーを、本学会の定例行事であるクリーニングに関する情報セミナーの一環として企画しました。
過去のセミナーについては、クリーニングに関する情報研究委員会のページへ
[日時・会場] <終了しました。>
2010年11月 2日(火) 10:15〜16:40 東京会場:日本女子大学新泉山館
2010年11月16日(火) 10:15〜16:40 大阪会場:ド−ンセンタ− 5階特別会議室
[内 容]
10:15 開会挨拶
10:20〜11:50
1.講演 「ISO 3758及びISO 6330規格改正の進展状況」
絵表示の国際規格であるISO 3758と、それに関連する試験方法の規格であるISO 6330の改正の進展状況について、国際会議にも出席してこられた片岡氏にお話しいただきました。
……………(社)繊維評価技術協議会 片岡 章
12:50〜14:20
2.講演 「取扱い絵表示の国際整合化についてのこれまでの経緯と業界に及ぼす影響」
取扱い絵表示の国際的な整合化が、どんな考え方でこれまで進められてきたか、また整合化されたとき、今後の国内の業界にどのような影響が及ぶのか、この問題に長年関わってこられた西川氏にお話しいただきました。
……………(株)消費科学研究所 西川哲二
14:30〜16:00
3.講演 「JISの取扱い絵表示がISOと整合化された時の問題点」
………………繊維製品技術研究会(ATTS)副会長 相馬成男
(ATTS取扱い絵表示検討委員会委員長)
JIS L 0217が改正されたとき、各製品に対し、日本の洗濯文化・習慣及び洗濯実態を考慮して新たな図柄の絵表示をどう選択すればいいのか、その問題点をあげていただきました。
16:10〜16:40
4.質疑応答(講師間、および、講師と聴衆との間で)
司会・進行 クリーニングに関する情報研究委員会委員長 武庫川女子大学 牛田 智
[定 員] 100名
[参加費] 会員5,000円,非会員8,000円,学生2,000円(いずれもテキスト代含む)