クリーニングに関する情報研究委員会
委員長 牛田 智(武庫川女子大学・教授)
年2回開催している日本繊維製品消費科学会の「クリーニングに関する情報セミナー」の中心は商業クリーニングですが、洗うことに関しては、家庭洗濯も重要です。衣料用洗剤は多機能化が進んでおり、漂白・除菌・柔軟・香りなどの効果をプラスした複合的多機能型洗剤が展開されています。また、液体洗剤のシェアが拡大し、さらには超コンパクト液体洗剤も増えています。
そのため、以前と比べると品数が増え、同じブランドにも何種類もの商品があります。これだけ多種多様な洗剤があると、何が違うのか、使い分けた方がいいのか、どういう基準で選んだらいいのか、なかなかわかりません。そもそも、洗剤で汚れが落ちるのはなぜなのか。洗剤の成分表示を見ると「薬品名」が書かれていますが、配合されている成分は、それぞれどういう働きをするのか、なかなか把握しきれません。多種多様な洗剤について、それらの違いは何なのか、洗浄力に違いをもたらす要因は何なのか、粉末と液体とは性能にどう違いがあるのか、酵素のパワーとは何なのか、洗浄力にどの程度寄与しているのか、すすぎが1回でいいということはどういうことなのか、綿・麻・合成繊維用とおしゃれ着用洗剤は何が違うのか、日本の洗剤は、外国で販売されている洗剤と違うところはどこか、などなど、様々な疑問が浮かびます。
洗剤を作る立場の方から、最近の洗剤の動向に加え、配合成分についての基礎的な解説をしていただきました。また、講演後にまとめて質疑応答を行い、講演だけでははっきりしなかったことや洗剤をどう使ったらいいのかなど、衣料用洗剤の本質に迫ることができました。
過去のセミナーについては、クリーニングに関する情報研究委員会のページへ
[日 時] 2012年10月11日(木) 13:15〜16:50 <終了しました。>
[会 場] ドーンセンター 5階 特別会議室
(540-0008 大阪市中央区大手前1-3-49)
京阪「天満橋」駅、地下鉄谷町線「天満橋」駅下車。1番出口より東へ約350m。
JR東西線「大阪城北詰」駅下車。2番出口より土佐堀通り沿いに西へ約550m。
[内 容]
13:15 開会挨拶(受付開始は、13:00)
13:20-14:10 1. 講演「洗剤用酵素の働きと開発の経緯」
・・・・・・・・ノボザイムズ ジャパン(株) 応用技術部 鈴木陽一
洗剤に配合されている酵素の機能について、様々な限界を打ち破って開発されてきた経緯も含め、基礎から最新の状況まで、わかりやすくご説明いただきました。
14:10-15:00 2. 講演「近年の洗剤変遷と洗浄基剤の進化・動向」
・・・・・・・・ライオン(株) 研究開発本部 ファブリックケア研究所 飯原 禎
近年の洗剤は、洗浄力に加え、除菌・消臭の機能も重要視されています。これらのもとになる洗剤中の洗浄成分や、抗菌・除菌・防臭に寄与する成分について、最近のライオンの洗剤の動向も含めお話しいただきました。
15:10-16:00 3. 講演「環境負荷低減や消費者の利便性に考慮した洗剤の開発とその特徴」
・・・・・・・・花王(株) ファブリック&ホームケア研究センター ハウスホールド研究所 山口紀子
近年広がっている、複数の機能を同時に発揮できる洗剤、少ないすすぎ回数で済む洗剤、小型化された洗剤について、消費者の利便性向上や環境負荷低減の観点から、最近の花王の洗剤の動向も含めお話しいただきました。
16:05-16:45 4. 質疑応答(質疑応答は、各講演後ではなく、最後にまとめて行いました。)
[参 加 費] 会員:4,000円、非会員:6,000円、学生2,000円 (いずれもテキスト代含む)