「快適性・健康」研究委員会

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本委員会は、「快適性・健康を考えるシンポジウム」(第49回までは「快適性を考えるシンポジウム」という名称)を主催してきています。既に開催したシンポジウムは、下にお示しした通りです。次回の開催が決まれば学会行事のページでお知らせします。

学会誌2010年4月号として「被服の快適性研究」特集号(→目次)が、2006年12月号として、「快適性・健康を考える」特集号(→目次)が刊行されました。学会の非会員でも、1冊1,300円(含第3種郵送料100円)でお分けできます。購入ご希望の方は学会事務局までお問い合わせ下さい。 
学会事務局へのメール


快適性・健康研究委員会(2024年7月現在)
委員長 井上 真理 (神戸大学大学院)
副委員長
出口 潤子 (旭化成株式会社)

潮田 ひとみ (東京家政大学)
 委 員 金井 博幸  (信州大学) 
  小松 陽子  (東洋紡株式会社) 
  薩本 弥生 (横浜国立大学)
  佐藤 真理子  (文化学園大学)

鷹股 亮 (奈良女子大学)

西原 直枝 (日本女子大学)

深沢 太香子 (京都教育大学)



会友  成瀬 正春  (名古屋文化短期大学)



顧問 田村 照子 (文化学園大学名誉教授)

原田 隆司 (元 東洋紡績株式会社 技監)

平田 耕造 (NPO法人AVA健康Labo理事長)
 

「快適性・健康を考えるシンポジウム」(第49回までは「快適性を考えるシンポジウム」)開催一覧

第1回(1986.10.24)奈良女子大
 テーマ:寝具
 解説講演者(基調講演者):堀 哲朗(佐賀医大教授)
 研究発表者:楠幹江(安田女子短大助教授)、登倉尋実(奈良女子大教授)、田村照子(文化女子大教授)、三輪恵美子(日本睡眠科学研究所)、塩谷隆(東レ(株))、土田和義(東洋紡績(株))

第2回
(1987.4.23)奈良女子大
 テーマ:暑熱・炎天下の衣服着用のあり方
 解説講演者(基調講演者):小川徳雄(愛知医大教授)
 研究発表者:中島利誠(お茶の水女子大教授)、丸田直美(夙川学院短大)、井上佳保里(東レ(株))、岩田義忠((株)ユニチカリサーチラボ)、鈴木英子(旭化成工業(株))、川島美勝(横浜国立大助手)

第3回
(1987.10.23)奈良女子大
 テーマ:寒冷下での衣服着用のあり方
 解説講演者(基調講演者):黒島晨汎(旭川医大教授)
 研究発表者:荒木勉(兵庫教育大助教授)、大野静江(日本女子大教授)、登倉尋実(奈良女子大教授)、勝浦哲夫(千葉大助教授)、高寺由和(帝人(株))、西桜光一(東レ(株))、土田和義(東洋紡績(株))

第4回
(1989.4.14)奈良商工会議所会館
 テーマ:スポーツウエアの諸問題
 解説講演者(基調講演者):平田耕造(神戸女子大助教授)、田古里哲夫(筑波大学教授)
 研究発表者:横山宏太郎(農林水産省北陸農業試験場)、田村和子(高知大学助教授)、中川盛雄((株)アシックス)、蔭地駿作((株)デサント)、藤田正樹(ミズノ(株))

第5回
(1989.12.1)奈良商工会議所会館
 テーマ:特殊環境下における衣服のあり方
 解説講演者(基調講演者):万木良平(女子栄養大教授)、関邦博(海洋科学技術センター)
 研究発表者:小野淳子(愛知県農業総合試験場)、國本由人(東京消防庁)、高野研一(電力中央研究所)、綿貫茂喜(大阪市立大助手)、新田慶冶(航空宇宙技術研究所)

第6回
(1990.4.20)奈良商工会議所会館
 テーマ:肌着類の着用快適性と健康
 解説講演者(基調講演者):永坂鉄夫(金沢大教授)
 研究発表者:綿貫茂喜(大阪市立大助手)、登倉尋実(奈良女子大教授)、藤沢香代子(東レ(株))、大野静江(日本女子大教授)、篠崎彰大((株)ワコール)、田村照子(文化女子大教授)、小田義宣(グンゼ(株))、土田和義(東洋紡績(株))

第7回(1990.10.26)奈良女子大
 テーマ:靴・靴下・床材料と足の快適性・健康
 解説講演者(基調講演者):小野三嗣(東京慈恵医大名誉教授)、小野英哲(東京工業大教授)
 研究発表者:横山宏太郎(農林水産省北陸農業試験場)、福岡正信((株)アシックス)、山田忠利((株)ブリジストン)、成瀬正春(名古屋市立大)、徳森文之(国際羊毛事務局)、東義昭(奈良県工業試験場)

第8回(1992.12.1)奈良女子大
 テーマ:衣服着用時の体幹部の湿潤感・清涼感をめぐる諸問題
 解説講演者(基調講演者):原田隆司(東洋紡績(株))
 研究発表者:八木昭宏(関西学院大教授)、平田耕造(神戸女子大助教授)、田村照子(文化女子大教授)、潮田ひとみ(福山市立短大講師)、土田和義(東洋紡績(株))、西桜光一(東レ(株))、登倉尋実(奈良女子大教授)

第9回(1993.9.17)京都・本能寺文化会館
 テーマ:衣服着用時の体幹部湿潤感・清涼感をめぐる諸問題(その2)
 解説講演者(基調講演者):八木昭宏(関西学院大教授)
 研究発表者:山下由果(金城学院大助教授)、中島利誠(お茶の水女子大教授)、足立公洋(大阪工業技術試験所)、山口新司((株)クラレ)、池田武彦((株)ユニチカリサーチラボ)、赤嶺育雄(松下電器産業(株))

第10回
(1994.4.22)国労大阪会館
 テーマ:圧迫感をめぐる諸問題
 解説講演者(基調講演者):八木昭宏(関西学院大教授)、田村照子(文化女子大教授)
 研究発表者:
登倉尋実(奈良女子大教授)、綿貫茂喜(大阪市立大講師)、伊藤紀子(鳥取大教授)、川端博子(東京都立立川短大)、藤本昌則((株)デサント)   

第11回
(1995.10.18)国労大阪会館
 テーマ:嗅覚をめぐる諸問題:臭いと匂い
 解説講演者(基調講演者):浅野三千秋(香り文化研究所)、高木貞敬(群馬大名誉教授)、吉田倫幸(工業技術院)、大迫政浩(国立公衆衛生院)
   研究発表者:世喜克彦(旭化成工業(株))、折居一憲(帝人(株))

第12回
(1996.926)関西学院大
 テーマ:心理生理計測
 解説講演者(基調講演者):八木昭宏(関西学院大教授)

第13回
(1997.3.10)奈良女子大学
 テーマ:温熱生理計測
 解説講演者(基調講演者):登倉尋実(奈良女子大教授)、磯田憲生(奈良女子大教授)、米田守宏(奈良女子大講師)、緑川知子(奈良女子大助手)

第14回
(1997.10.17)京都・本能寺文化会館
 テーマ:寝具・寝装品
 解説講演者(基調講演者):佐々木三男(東京慈恵医大教授)
 研究発表者:嶋根歌子(和洋女子大助教授)、山崎和彦(実践女子大助教授)、楠幹江(安田女子短大教授)、西中久雄(東洋紡績(株))、稲垣健治(帝人(株))、平松憲二((株)クラレ)、三輪恵美子(西川産業(株))

第15回(1998.4.17)京都・ビル葆光
 テーマ:暑熱時の衣服のあり方
 解説講演者(基調講演者):菅屋潤壹(愛知医大教授)
 研究発表者:平林由果(金城学院大助教授)、平田耕造(神戸女子大教授)、潮田ひとみ(兵庫教育大講師)、三好和人(東京消防庁)、木下直之(東レ(株))、猪股満智子(商品科学研究所)

第16回
(1998.10.16)京都・ビル葆光
 テーマ:寒冷時の生理と衣服
 解説講演者(基調講演者):八幡剛浩(市立名寄短大教授)
 研究発表者:松村京子(兵庫教育大教授)、坂里祭((株)ワコール)、横山宏太郎(農林水産省北陸農業試験場)、蔭地駿作((株)デサント)、荻野毅(ミズノ(株))、早川邦明(東レ(株))

第17回
(1999.4.16)アピオ大阪
 テーマ:電磁波・マイナスイオン
 解説講演者(基調講演者):大久保千代次(国立公衆衛生院部長)、山野井昇(東京大大学院教授)
 研究発表者:針谷栄蔵(社:関西電子工業振興センター)、薩谷泰資(神戸電波(株))

第18回
(1999.9.17)アピオ大阪
 テーマ:スポーツウエア・シューズと人体生理機能
 解説講演者(基調講演者):能勢博(信州大教授)、井上芳光(大阪国際女子大教授)
 研究発表者:潮田ひとみ(兵庫教育大講師)、秋庭英治((株)クラレ)、福岡正信((株)アシックス)、高野倉睦子(昭和学院短大助教授)、諸岡晴美(富山大教授)

第19回
(2000.4.14)大阪市立大
 テーマ:密閉型衣服(特殊服)
 解説講演者(基調講演者):平田耕造(神戸女子大教授)、栃原裕(九州芸工大教授)、福田貴雄(宇宙開発事業団)
 研究発表者:登倉尋実(奈良女子大教授)、林千穂(長野県短大教授)、佐々木行忠((株)千代田テクノル)、船津美智子(福岡女学院教授)

第20回記念
(2000.10.20)神戸女子大教育センター
 テーマ:直接肌につける衣服による圧迫と温熱に関する生理心理
 解説講演者(基調講演者):
田村照子(文化女子大教授) 登倉尋実(奈良女子大教授)、小山真((株)ワコール)、平田耕造(神戸女子大教授)、原田隆司(元東洋紡績(株))、小澤七洋(グンゼ(株))

第21回
(2001.4.20)神戸女子大教育センター
 テーマ:手・足の快適性 靴・靴下・手袋・義肢
 解説講演者(基調講演者):木下博(大阪大教授)、内田充彦(神戸医療福祉専門学校)
 研究発表者:三村仁司((株)アシックス)、今村律子(和歌山大助教授)、岩崎房子(文化女子大短大教授)、庄健二(岡本(株))
第22回(2001.10.26)神戸女子大教育センター
 テーマ:湿潤感・清涼感
 解説講演者(基調講演者):彼末一之(大阪大教授)、中島利誠(昭和女子大教授)
 研究発表者:小柴朋子(文化女子大短大講師)、竹田和博((株)ケープ)、酒井吉弘(花王(株))

第23回
(2002.4.19)神戸女子大教育センター
 テーマ:圧迫感
 解説講演者(基調講演者):小川徳雄(愛知医大教授)
 研究発表者:遠藤茂夫(福助(株))、伊藤紀子(鳥取大教授)、高寺由和((株)帝人)、登倉尋実(奈良女子大教授)、平田耕造(神戸女子大教授)

第24回
(2003.1.31)神戸女子大教育センター
 テーマ:快適性に関する公開講座
 解説講演者(基調講演者):
森本武利(神戸女子大学長)、 中島浩二((株)スキノス)、小南幸哉((株)エイエムアイ・テクノ)
 研究発表者:平田耕造(神戸女子大教授)、石丸園子((株)東洋紡総合研究所)、春田勝(東レ(株))、岡智恵子((株)ワコール)、清嶋展弘((株)デサント)、村上修一(小松精練(株))、松下((株)クラレ)、((株)グンゼ)

第25回
(2003.9.26)奈良女子大
 テーマ:快適性評価における計測技術
 解説講演者(基調講演者):伊藤紀子(鳥取大教授)、坂上隆英(大阪大大学院助教授)、竹田秀樹((株)第一科学)、大垣乃介((株)ニッタ)

第26回
(2004.1.30)神戸女子大教育センター 内容の詳細
 テーマ:寝装・寝具
 基調講演者:川島美勝(元横浜国立大教授)、久保博子(奈良女子大助教授)
 研究発表者:水野一枝(独:産業技術総合研究所)、河合貴美子((株)東洋紡総合研究所)、中西正恵(神戸女子大助教授)、吉兼令晴((株)大阪西川)

第27回
(2004.5.21)神戸女子大教育センター  内容の詳細
 テーマ:暑熱時の衣服のあり方
 基調講演者:紫藤 治(島根大学医学部教授)
 研究発表者:西村直記(愛知医科大学医学部講師)、高島嘉守(ミズノ(株))、秋枝伸午(グンゼ(株))、山田晃也(防衛庁技術研究本部)、久次米正弘(ユニチカガ-メンテック(株))、薩本弥生(横浜国立大学助教授)、村山雅己(船舶艤装品研究所)

第28回(2004.10.15)ミズノ(株)大阪本社地下ホール 内容の詳細
 テーマ:スポーツウエア・シューズについて
 基調講演者:辻中克弥(ミズノ(株))、宇治橋貞幸(東京工業大学)
 研究発表者:田中英登(横浜国立大)、鷹股 亮(奈良女子大学)、福岡義之(熊本県立大学)、西脇剛史((株)アシックス)

第29回
(2005.4.22)神戸女子大教育センター 内容の詳細
 テーマ:防護服・特殊服と快適性
 解説講演者(基調講演者):貝原 俊民(前兵庫県知事)、尾崎博和、坂上 淳(防衛庁航空医学実験隊)、平田耕造(神戸女子大学)
 研究発表者:東中美根子(兵庫県立生活科学研究所)、木岡悦子(甲南女子大学名誉教授)森 由紀(甲南女子大学)、新井田康朗(クラレクラフレックス(株))、中橋美智子(東京学芸大学名誉教授)、村山雅巳(船舶艤装品研究所)

第30回
(2005.9.30)神戸女子大教育センター 内容の詳細
 テーマ:快適性を理解するためのQ&A
 基調講演者:原田隆司 (御幸毛織(株))、田村照子 (文化女子大学)、平田耕造 (神戸女子大学)

第31回(2006.4.21)兵庫県民会館 内容の詳細
 テーマ:快適性研究:近未来を語る
 基調講演者:鷹股 亮(奈良女子大学)、田中真美(東北大学大学院工学研究科)、才脇直樹(奈良女子大学)

第32回
(2006.9.15)文化女子大学 内容の詳細
 テーマ:快適性を理解するためのQ&A 東京編
 基調講演者:田村照子(文化女子大学)、原田隆司(御幸毛織(株))、平田耕造(神戸女子大学)
 研究発表者:米田守弘(奈良女大)、石丸園子(東洋紡総研)、潮田ひとみ(兵庫教大)、薩本弥生(横浜国大)、嶋根歌子(和洋女大)、成瀬正春(金城学院大)

第33回
(2007.4.20)兵庫県民会館 内容の詳細
 テーマ:皮膚の科学と肌着,靴・靴下
 基調講演者:市橋正光(神戸大学名誉教授・サンクリニック院長)
 研究発表者:須藤 舞(ワコ−ル(株))、平林由果(金城学院大)、矢野詩織(グンゼ(株))、出口潤子(旭化成(株))、鋤柄佐千子(京都工芸繊維大)

第34回
(2007.9.28)兵庫県民会館 内容の詳細
 テーマ:冷えと寒冷時の衣服・生理
 解説講演者:永島 計(早稲田大学)
 研究発表者:石丸園子(東洋紡績(株))、板垣良彦((株)デサント)、深沢 太香子(福岡女子大学)、矢田幸博(花王(株))、前田亜紀子(長野県短期大学)

第35回
(2008.4.25)兵庫県民会館 内容の詳細
 テーマ:湿潤感と清涼感
 解説講演者:近藤 徳彦(神戸大学)
 研究発表者:佐藤真理子(文化女子大学)、北村治子(京都府立医科大学附属病院)、市ヶ谷弘司((株)空調服)、吉澤知佐(旭化成せんい)、潮田ひとみ(兵庫教育大学)、堀川直幹(帝人ファイバー(株))

第36回
(2008.9.5)兵庫県民会館 内容の詳細
 テーマ:衣服圧と健康
 解説講演者:田村照子(文化女子大学)、平井正文()東海病院)
 研究発表者:(株)アシックス 勝 眞理、山本化学工業(株) 山本富造、信州大学 三野たまき

第37回
(2009.4.24)大阪産業創造館 内容の詳細
 テーマ:寝装・寝具
 解説講演者:東北福祉大学 水野一枝、東京北社会保険病院 神山 潤
 研究発表者:パナソニック電工(株) 中村政行、ロフテ−(株) 鍛冶恵岩手県立大学 武田利明

第38回(2009.10.23)ドーンセンター(大阪) 内容の詳細
 テーマ:寒冷時の生理と衣服による保温効果の意義
 解説講演者:山梨県環境科学研究所 永井正則、文化女子大学 田村照子
 研究発表者:花王(株)ヘルスケア研究所 鈴木 敦、ジャパンゴアテックス(株) 久保徹也、(財)日本化学繊維検査協会 倉本幹也

第39回(2010.4.23)ドーンセンター(大阪) 内容の詳細
 テーマ:暑熱環境下での体温調節の仕掛けと体温調節を手助けする衣服の実践例
 解説講演者:大阪工業大学 松村 潔、信州大学 西松豊典
 研究発表者:文化女子大学 山田 巧、(株)デサント 加藤吉幸、労働安全衛生総合研究所 上野 哲

第40回(2010.10.22)追手門学院 大阪城スクエアーホールC・D 内容の詳細
 テーマ:快適性を理解するためのQ&A 〜≪つぎの16話≫
 基調講演者:奈良女子大学 鷹股 亮、東洋紡績 石丸園子、横浜国立大学 薩本弥生 ポスター発表と総合討論を実施

第41回
(2011.4.22)京都市産業技術研究所 2階多目的ホール 内容の詳細
 テーマ:身体圧迫が生体に及ぼす影響と健康・快適な衣服圧
 解説講演者:東京大学大学院 石井直方、富山大学 諸岡晴美
 研究発表者:岡本(株) 庄 健二、愛知医科大学 谷川 徹、(株)デサント 山中康裕

第42回(2011.10.21)京都市産業技術研究所 2階多目的ホール 内容の詳細
 テーマ:感覚をめぐる諸問題 ―最新理論でひもとく,感覚世界の新展開―
 解説講演者:京都大学 小林茂夫
 研究発表者:奈良女子大学 米田守宏、兵庫教育大学 潮田ひとみ、倉敷紡績(株) 高木昭典

第43回
(2012.4.27)京都市産業技術研究所 2階多目的ホール 内容の詳細
 テーマ:生体情報によって快適性はどこまで測れるのか−心拍変動,唾液アミラーゼ活性・ホルモン濃度など−
 基調講演者:愛知医科大学 岩瀬 敏、岩手大学 山口昌樹
 研究発表者:文化学園大学 小柴朋子、ユニ・チャーム(株)丹下明子、青山史絵、金城学院大学 平林由果

第44回(2012.10.26)キャンパスプラザ京都 内容の詳細
 テーマ:触感をめぐる最先端計測技術
 基調講演者:自然科学研究機構生理学研究所 北田 亮、慶応義塾大学 前野隆司、甲南大学 才脇直樹
 研究発表者:(株)資生堂 新成長領域研究開発センター 川副智行   (研究解説)元東洋紡技監 原田隆司

第45回(2013.4.26)キャンパスプラザ京都 内容の詳細
 テーマ:健やか・爽やかなエイジングと衣服
 基調講演者:生物医学研究所 青木皐、立命館大学 田畑 泉、東京都健康長寿医療センター研究所 高橋龍太郎
 研究発表者:大妻女子大学 宇梶百恵、ワコール 仙波孝之

第46回
(2013.10.25)キャンパスプラザ京都 内容の詳細
 テーマ:着衣の温熱的 快適性にかかわるモデリング
 基調講演者:早稲田大学 田辺新一
 研究発表者:神戸大学 高田 暁、信州大学 佐古井智紀、釧路工業高等専門学校 繻エ浩平、大阪ガス(株) エネルギー技術研究所 竹森利和

第47回
(2014.4.25)キャンパスプラザ京都 内容の詳細
 テーマ:ミドルエイジの健康に着目したスポーツウエア
 基調講演者:大阪国際大学 井上芳光
 研究発表者:京都教育大学 深沢太香子、ミズノアウトドアスクール校長,登山家 大蔵喜福、奈良女子大学 芝ア 学、旭化成せんい(株)研究開発センター 小原和幸

第48回
(2014.10.31)京都教育大学 内容の詳細
 テーマ:快適性を理解するためのQ&A ヒトをはかる16話
 ◆快適性・健康研究委員会各委員からの講演「ヒトをはかる16話」
 ◆「ヒトをはかる16話」ポスタ−発表 & 計測機器展示
 ◆総合討論

第49回
(2015.4.24)キャンパスプラザ京都 内容の詳細
 テーマ:女性の健康と快適性(生体機能の性差と性ホルモンの影響)
 基調講演者:大阪電気通信大学 細野剛良
 研究発表者:オムロン(株) 齋藤真由美、高知大学 内田有希、奈良女子大学 鷹股 亮、小林製薬(株) 小迫裕介

第50回からは「快適性・健康を考えるシンポジウム」
 

第50回
(2015.10.30)キャンパスプラザ京都 内容の詳細
 テーマ:健康とは?健康維持・増進を図るには?-心と体、睡眠と運動、個人と集団−
 解説講演者(基調講演者):自治医科大学 中村好一、信州大学大学院 能勢 博、京都府立医科大学 本橋豊

第51回
(2016.4.22)キャンパスプラザ京都 内容の詳細
 テーマ:健康を支えるための運動と睡眠の関係 −サーカディアンリズムの視点から−
 基調講演者:順天堂大学大学院 谷川 武、三重大学教育学部 杉田正明
 研究発表者:神奈川大学 塩田耕平、足利工業大学 荒川一成、西川産業(株) 中村 勤

第52回
(2016.9.9)京都女子大学 内容の詳細
 テーマ:過去・現在から見えてくる近未来の快適性・健康研究
 基調講演者:九州大学名誉教授 栃原 裕、、文化学園大学 名誉教授 田村照子
 ショートスピーチ:京都教育大学  深沢太香子横浜国立大学  薩本弥生、文化学園大学 小柴朋子、神戸大学  井上真理、東洋紡(株)  石丸園子

第53回
(2017.4.14)日本女子大学新泉山館 内容の詳細
 テーマ:触覚 触感 ハプティクス
 基調講演者:静岡理工科大学教授 宮岡 徹,(株)資生堂 傳田 光洋
 研究発表者:マツダ(株) 福井信行、(株)京都西川 森田貴美子、京都工芸繊維大学教授 佐久間 淳快適性

第54回
(2017.9.1)キャンパスプラザ京都 内容の詳細
 テーマ:衣服が皮膚に与える功罪
 基調講演者:藤田保健衛生大学医学部 矢上晶子、日本産業皮膚衛生協会(株式会社河合産業皮膚医学研究所) 五十嵐亮介
 研究発表者:独立行政法人製品評価技術基盤機構 佐々木和実、文化学園大学 佐藤真理子、小林製薬株式会社 栗山健一、(株)タカギ 木鎮廣

第55回(2018.4.20)キャンパスプラザ京都 内容の詳細
 テーマ:暑熱環境下の熱中症リスクとその対策
 基調講演者:産業医科大学 堀江 正知、奈良女子大学 芝ア 学
 研究発表者:京都工芸繊維大学 山下 直之、岡山県立大学 島ア 康弘、旭化成(株) 吉澤 知佐

第56回(2018.9.21)キャンパスプラザ京都 内容の詳細
 テーマ:「寒冷時の体温調節−体温調節メカニズム研究の最先端から−」

第57回(2019.4.19)キャンパスプラザ京都 内容の詳細
 テーマ:「高齢者の健康 −歩行を中心として−」

第58回(2019.9.6〜7)奈良春日野国際フォーラム 
 快適性とスマートテキスタイル国際シンポジウム 2019 として開催

第59回(2020.4.24)キャンパスプラザ京都 内容の詳細 ※新型コロナウイルスの感染拡大予防のため中止(延期:開催未定)になりました。
 テーマ:「快適性・健康を製品設計に活かす 〜快適性評価のすべてがここに〜」

第60回(2020.9.18) オンライン開催 内容の詳細
 テーマ:「with/after コロナ 繊維製品が築く未来」

第61回(2021.4.23) オンライン開催 内容の詳細
 テーマ:「−生体リズム調節と健康・快適性(生体リズムの変化が健康に及ぼす影響)−」

第62回(2021.10.8) オンライン開催 内容の詳細
 テーマ:「−触感と神経生理反応−」

第63回(2022.4.15) オンライン開催 内容の詳細
 テーマ:「−汗とかゆみのサイエンス−」

第64回(2022.10.21) オンライン開催 内容の詳細
 テーマ:「−「蒸れ」という感覚と皮膚−」

第65回(2023.4.28) オンライン開催 内容の詳細
 テーマ:「−圧感覚と快適性−」 

第66回
(2023.10.13) オンライン開催 内容の詳細
 テーマ:「−性差と快適性研究−」 

第67回
(2024.4.19) オンライン開催 内容の詳細
 テーマ:「−ヒトを測る−」 

 

過去の「快適性を考えるシンポジウム」の内容(第26回以降の詳細)

第26回シンポジウム2004.1.30に開催

  第26回快適性を考えるシンポジウムは「寝装・寝具」をテーマとして開催しました。
  ヒトはその人生の3分の1を眠って過ごすことから,睡眠環境は人間生活の快適性および健康の実現において重要な役割を果たしているものと考えられます.今 回はお二方の先生に基調講演をお願いしました。川島先生には,製品として見たときの寝装・寝具の性能評価・性能表示等についてお話いただきました。久保先 生は住環境学の立場から睡眠環境と生理的応答との関連について研究をされていますが,睡眠環境の研究に関する基本的な考え方を豊富な研究例を交えてお話い ただきした。
 研究発表は寝装・寝具に関する製品開発を中心として4件をお願いしました。

[日時]   2004年1月30日(金)10:00〜16:30 <終了しました>

[場所]   神戸女子大学教育センター  地図
  神戸市中央区中山手通2-23-1 TEL078-231-1060 (JR,阪急,阪神,地下鉄三ノ宮駅より約10分)

[基調講演]
1.住環境学の立場から見た睡眠環境に関する研究(10:00〜11:00)
       [キーワード] 睡眠環境、寝床気候、冷暖房、皮膚温、体内温
  …………奈良女子大学 生活環境学部 助教授 久保  博子

2.ふとんの性能評価・性能表示と寝具寝装品業界の話題(11:00〜12:00)
       [キーワード] ふとんの保温性・弾力性・水分移動特性・耐久性・ドレープ性、
 …………日本睡眠環境学会 会長 元横浜国立大学 川島  美勝

[研究発表]
1.冬季の睡眠と寝具(13:10〜13:45)
        [キーワード] 睡眠、低温、寝具、体温、寝床内気候
    … 独立行政法人 産業技術総合研究所 人間福祉医工学研究部門 水野 一枝
2.寝姿勢の測定方法と快適な寝具構成について(13:45〜14:20)
        [キーワード] 敷寝具、寝姿勢、骨格、硬さ、圧縮特性
    ……………… 株式会社 東洋紡総合研究所 河合 貴美子
  休憩(14:20〜14:25)
3.枕の快適性(14:25〜15:00)―枕・枕充填材料の性能の客観的評価―
        [キーワード] 枕、枕充填材料、寝心地、熱・水分移動特性、通気性、圧縮特性
    ………………… 神戸女子大学 家政学部 助教授 中西 正恵
4.敷きふとんに求められる性能と評価(15:00〜15:35)
        [キーワード] 快適睡眠、体圧分散、最大体圧、高圧面積、体型測定、生活利便性、自分に合ったふとん
     …………株式会社大阪西川 品質保証部長兼品質管理室長 吉兼 令晴
   休憩(15:35〜15:45)

総合討論(15:45〜16:30)


第27回シンポジウム 2004.5.21に開催

 「暑熱時の衣服のあり方」をテーマに開催しました。

[日  時]   2004年5月21日(金)10:00〜16:30 <終了しました>
[場  所]   神戸女子大学教育センター  地図
 神戸市中央区中山手通2-23-1 TEL078-231-1060
 (JR,阪急,阪神,地下鉄三ノ宮駅より約10分)
 
[内  容]   
 9:30    受付開始
10:00〜10:05  開会あいさつ 「快適性・健康」研究委員会委員長 平田 耕造
10:05〜10:40 研究発表1「高濃度人工炭酸泉の生理作用」(仮題)
  [キーワード]CO2、深部温、発汗量、皮膚血流量、温度感覚
  愛知医科大学医学部生理学第2講座 講師 西村 直記
10:40〜11:15 研究発表2「最近のスポーツウェアの動向」
  [キーワード] スポーツウェア、クーリング、接触冷感、通気性、動く繊維
  ミズノ株式会社 商品開発部ウェア開発課 高島 嘉守

11:15〜11:20  休憩

11:20〜11:55 研究発表3 『汗処理機能に優れた「Acticot」』
  [キーワード]人間の快適性、機能肌着の商品化、アクティコット(Acticot)、優れた汗処理機能、新原糸共同開発
  グンゼ株式会社 メンズ&キッズカンパニー技術開発課 秋枝 伸午

 11:55〜13:10        昼休み

13:10〜14:20 基調講演「暑熱に対する体温調節反応と暑熱訓化による体温調節機能の変化」
  [キーワード]暑熱暴露、温度馴化、時間記憶、選択環境温、日内変動
  島根大学 医学部環境生理学講座 教授 紫藤  治 
14:20〜14:55 研究発表4 「直立安静時の衣服内気流の発生状況」
  [キーワード]衣服気候、衣服内気流、衣服内空気層厚さ、人体模擬平板、気流の可視化
  防衛庁 技術研究本部第1研究所第3部個人装備研究室 山田 晃也
  ユニチカガ-メンテック株式会社 リサーチラボ事業部 課長 久次米 正弘

14:55〜15:00  休憩

15:00〜15:35 研究発表5 「暑熱環境における着衣の熱水分移動特性への素材要因・構成要因の効果」
  [キーワード]吸水速乾性、吸湿性、フィット性、透湿性
  横浜国立大学 教育人間科学部 助教授 薩本 弥生
15:35〜16:10 研究発表6 「密閉型衣服−消防員装具のヒートストレス対処に関する研究と開発」
  [キーワード]密閉衣服、消防員装具、ヒートストレス、人体熱平衡方程式
  発表者:(社)日本船舶品質管理協会 製品安全評価センター(船舶艤装品研究所)村山 雅己
  共同研究者:中橋 美智子(東京学芸大学)、生野 晴美(東京学芸大学)、物部 博文(横浜国立大学)

 16:10〜17:00 総合討論



第28回シンポジウム 2004.10.15に開催

「スポーツウエア・シューズについて」をテーマに開催しました。

[日 時] 2004年10月15日(金)10:00〜16:30 <終了しました>
[会 場] ミズノ株式会社大阪本社地下ホール(大阪市住之江区南港北1丁目12番35号)
  行き方: http://www.mizuno.co.jp/gallery/map/map.html

[内 容] アテネ・オリンピックが開催され、日本選手の大活躍は記憶に新しいところです。特にスポーツウエアやシューズが大いに注目を浴 びたことから、「スポーツウエア・シューズをテーマに、シンポジウムを開催しました。多彩な講演と研究発表があり、最新情報をまとめて得られました。さら に、ミズノ株式会社のスポーツ用品に関する展示室見学も行いました。

9:50〜10:00 開会の挨拶

10:00〜11:00 基調講演 ミズノ(株) 辻中 克弥 先生
題名;アテネオリンピック向け水着について
 1/100秒を争う競泳、その中でも水着は単なるユニフォームではなくギアとして扱われています。シドニーオリンピックで大きく様変わりした水着をさらに進化させるための開発プロセス、アテネオリンピックで採用された水着の特徴、選手の意見などについて発表します。

11:00〜11:25 研究発表 横浜国立大学 田中 英登 先生
題名;暑熱環境下における野球アンダーシャツに関する研究(熱中症予防の観点から)
スポーツ活動時の熱中症による死亡数の最も多いスポーツ種目は野球であることが報告されている。本研究では野球活動時の熱中症予防対策として、近年開発さ れている水分蒸発素材(吸水―速乾性)アンダーシャツの有効性について室内運動実験を行い、体熱平衡、主観的快適性の面から検討した。また、実際の高校、 大学野球選手の吸水―速乾性アンダーシャツの使用状況についての調査結果についても報告する予定である。

11:25〜11:50 研究発表 奈良女子大学 鷹股 亮 先生
題名;運動時の体温と循環調節
運動時の体温上昇に対する体温調節反応が、循環動態に与える影響について生理学的な側面から解説する。

11:50〜12:50(昼食)
12:50〜13:50(展示室見学)

13:50〜14:15 研究発表 熊本県立大学 福岡 義之 先生
題名;天然繊維を利用したスポーツウエアー利用とエコロジー
環境にやさしい天然素材をスポーツウエアーへの利用が期待できないかと、イグサを混紡した上衣製品からその展望を考察する。

14:15〜15:15 基調講演 東京工業大学 宇治橋 貞幸 先生
題名:ランニング・シューズの官能評価について
シューズの評価は、履く人の感覚に依存するところが強く、機械的あるいは物理的特性だけでは、到底成し得ない工業製品である。そこで、良いシューズを設計 するためには、人によるシューズ評価のメカニズムを知る事が必要となる。本講演では、特にランニング・シューズの人による総合評価のメカニズムを解明する ための手法について解説するとともにそれを用いてシューズを評価した実例を紹介する。

15:15〜15:40 研究発表 (株)アシックス 西脇 剛史 先生
題名;スポーツシューズのフィッティング設計
スポーツシューズの役割は、競技者を怪我から守りつつ、競技者の能力を最大限に引き出すことと定義でき、1.衝撃緩衝性、2.屈曲性、3.グリップ性、 4.耐久性、5.通気性、6.安定性、7.軽量性、8.フィット性の8大機能が基本的な要求特性として知られている。今回は、快適性の観点から、スポーツ シューズのフィッティング設計について発表する。

15:40〜15:50(休憩)
15:50〜16:30 総合討論
16:30  閉会の挨拶


第29回シンポジウム 2005.4.22に開催
 第29回のシンポジウムでは阪神淡路大震災から10年目に当たることから,前兵庫県知事の貝原俊民氏をお招きし「大震災からの復興 −美しい兵庫をめざ して−」と題する,基調講演を企画しました.また,防護服・特殊服と快適性について多彩な講演と研究発表があり,さらに当日のまとめを兼ねた総合討論も行 いました。

[日時] 2005年4月22日(金)10:00〜16:30<終了しました>
[場所] 神戸女子大学教育センター
神戸市中央区中山手通2-23-1 TEL078-231-1060
(JR,阪急,阪神,地下鉄三ノ宮駅より徒歩約10分) 地図

[内容]
<基調講演>
  10:00〜11:10  「大震災からの復興 −美しい兵庫をめざして−」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・前兵庫県知事,行吉学園理事長  貝原 俊民
<研究発表 >
  11:10〜11:40  「家庭における防災意識と防災対策に関する調査」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・兵庫県立生活科学研究所 東中 美根子
  11:40〜12:10 「阪神大震災における被災者の衣生活行動から」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・甲南女子大学名誉教授 木岡 悦子、甲南女子大学  森  由紀
  12:10〜13:20 昼食 

<解説講演>
  13:20〜14:20  「搭乗員用衣服の防護性と快適性」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・防衛庁航空医学実験隊 尾崎 博和、坂上  淳
  14:20〜14:40 展示・体験・質問コーナー

<研究発表>
  14:40〜15:10  「簡易防護服 の課題と今後について」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・株式会社 クラフレックス株式会社 企画マーケティング部 新井田 康朗

  15:10〜15:40  「漁船における作業服の実態調査と機能性評価」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・東京学芸大学名誉教授 中橋美智子
船舶艤装品研究所    村山 雅巳

<解説講演>
  15:40〜16:10  「不感蒸散から発汗へ移行するときの被服生理」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・神戸女子大学 平田 耕造
16:10〜16::20 休憩
16:20〜17:00 総合討論


第30回シンポジウム 2005.9.30に開催
 「快適性を考えるシンポジウム」は今回で第30回目を迎えました。日本繊維製品消費科学会誌上では2005年7月号から「快適性を理解するための Q&A――はじめの16話」のタイトルで連載が始まっています。この連載の中では快適性を理解するためのトピックス16話が準備されています。今 回はこれと連動して下記のとおり第30回目のシンポジウムを開催しました。
 快適性を理解するためには、人間〜衣服〜環境の系として捉え生理学、心理学、工学等さまざまなアプローチが求められます。そこで快適性研究を始めて間も ない方や、これから研究を始めようとしておられる方、また快適性に関心があり勉強したいと思っておられる方を対象に、「快適性を理解するための Q&A」というテーマで、快適性・健康研究委員会の顧問と委員が総力を挙げて本シンポジウムを実施いたしました。
 今回は快適性研究に関する基調講演を3題、続いてワークショップは快適性を理解するためのトピックス16話を、3つのブースに分かれて研究委員会のメンバー全員で対応しました。

特典:参加者には、連載の「快適性を理解するためのQ&A――はじめの16話」を差し上げました。

[協 賛] 繊維学会、日本繊維機械学会
[日 時] 2005年9月30日(金)13:00〜17:00<終了しました>
[場 所] 神戸女子大学教育センター
  神戸市中央区中山手通2-23-1 TEL078-231-1060 (JR,阪急,阪神,地下鉄三ノ宮駅より徒歩約10分)
[内 容]   
13:00〜13:40 基調講演 原田隆司 顧問(御幸毛織(株)) 「快適性研究〜商品開発の立場から〜」
13:40〜14:10 基調講演 田村照子 顧問(文化女子大学) 「快適性研究〜ヒトと衣服と環境を系としてとらえる〜」
14:10〜14:35 基調講演 平田耕造 委員長(神戸女子大学) 「快適性研究〜生理学的アプローチ〜」
14:35〜14:45 休憩
14:45〜16:20 ワークショップ   

担当委員:米田守弘(奈良女子大学)、石丸園子(東洋紡総合研究所)、潮田ひとみ(兵庫教育大学)、薩本弥生(横浜国立大学)、嶋根歌子(和洋女子大学)、成瀬正春(金城学院大学)、基調講演者

項目:
1.快適性の主な要因   2.自律神経系生理反応と快適性  3.血液の流れ   4.快適な衣服内の気候  5.体温調節の仕組み   6.汗   7.汗による不快感    8.部位による生理反応の違い  9.快適性の数値化   10.衣服圧  11.衣服圧の功罪    12.肌触り(1)   13.肌触り(2)  14.生理実験を行う際の留意点  15.材料実験を行う際の留意点   16.人の感覚による評価

16:20〜17:00 総合討論   参加者と快適性・健康研究委員会のメンバー全員の間での質疑応答

[定 員]  80名


第31回シンポジウム 2006.4.21に開催
 去る9月30日に開催されました第30回「快適性を考えるシンポジウム」〜快適性を理解するためのQ&A〜は、100名の出席者を得まして、好評であっ たことは報告書にある通りです。引き続いての第31回は、20周年の記念大会になります。一口に20周年と云っても長い歴史があります。本シンポジウムで は、毎回のテーマを衣服の用途別、快適に関する感覚別、測定方法別に行ってきました。この間に快適な衣服、繊維は大きな進化を遂げ、快適性を解析する研究 手法もまた著しく進歩してきました。
 そして今回は、下記のとおり快適性に関する最先端の基礎的な研究をしておられる新進気鋭の3人の先生方にご登場頂き、快適性研究の近未来についてご講演いただき、大いに語っていただきました。

[日  時] 4月21日(金) 11:00〜18:00 <終了しました>
[場  所] 兵庫県民会館 10階 福の間
     兵庫県神戸市中央区下山手通4-16-3、 TEL.078-321-2131 FAX.078-321-2138
(JR,阪神「元町」駅下車 徒歩約7分)、(地下鉄「県庁前」下車 東1・2番出口直ぐ)

[内 容] (講演60分、質疑応答15分)
11:00〜12:15 基調講演 1.奈良女子大学生活環境学部 鷹股 亮 助教授
 温熱(体液)生理学のご専門で、基礎的な生理学のご研究を継続的にしておられ、その成果は国際的な学術雑誌に数多く発表しておられます。生活健康・衣環 境学科で教育研究に携わっておられ、「温熱生理学(自律機能)と快適性(仮題)」の演題で発汗、皮膚血流、体温の調節など快適性の分野に関する最先端の貴 重なお話が聞けました。

13:00〜14:15 基調講演 2.東北大学大学院工学研究科 田中 真美 助教授
 「衣服の快適性について〜触感センサの開発および脳機能に関する研究〜」の
演題で最新の研究成果をお話いただきます。田中真美先生は、東北大学の川島隆太教授の強烈なご推薦を受けてのご登場です。バイオロボテックス専攻の先生 で、川島先生との共同研究で布の感触と腦機能の関係を研究。また布の感触センサ−の開発も行っておられ、最先端のお話が聞けました。

14:25〜15:40 基調講演 3.奈良女子大学生活環境学部 才脇 直樹 助教授
 ご講演は「情報処理技術の快適性への応用(仮題)」の演題で、ウェアラブルコンピュ−タと仮想感触の話題で構成され、仮想感触には、脳機能計測の話が絡んで来ます。コンピュータと感触について最先端のお話が聞けました。

15:50〜17:20 パネルディスカッション「快適性研究の近未来を語る」
1)温熱・体液生理学 2)感触と脳機能 3)ウェアブルコンピュ−タ
基調講演者3名と快適性・健康委員会のメンバ−によるパネルディスカッションを行いました。

17:20〜18:00 懇話会/名刺交換会(希望者のみ)  
 <参加者と基調講演者、委員会メンバ−による情報交換の場>

[定員]  80名


第32回シンポジウム 2006.9.15に開催

 衣服の快適性を理解するためには、人間〜衣服〜環境の系として捉え生理学、心理学、工学等さまざまなアプローチが求められます。クールビズや ウォームビズも私たちの生活の中で浸透し始めていますが、快適性の観点からこれらを研究するには、基礎的な部分の理解が欠かせません。そこで快適性研究を 始めて間もない方や、これから研究を始めようとしておられる方、また快適性に関心があり勉強したいと思っておられる方々を対象に、「快適性を理解するため のQ&A 東京編」のテーマで、本学会の快適性・健康研究委員会の委員と顧問が総力を挙げてシンポジウムを実施しました。
 今回のシンポジウムでは、既に学会誌「繊維製品消費科学」46巻7号〔2005年〕から連載しました「快適性を理解するためのQ&A はじめの 16話」(その1から16)をテキストとして基調講演および質疑応答を行いました。さらに、快適性委員による次の連載内容を中心とした「快適性を理解する ためのQ&A つぎの16話」の一部をポスター発表し、ここでも個別の質疑応答を行いました。
 最後に講師との名刺交換会、および今回だけの特典として文化女子大学・田村教授の研究室訪問のオプショナルツアーを先着25名様限定で行いました。

[日 時] 2006年9月15日(金)10:00〜17:00(18:15)<終了しました>
[場 所]  文化女子大学 A館15F 行き方
  (〒151−8523 東京都渋谷区代々木3−22−1)
  JR新宿南口より、甲州街道に沿っては初台方面へ徒歩8分

[内  容]   
1.基調講演 (質疑応答を含む)
 10:00〜11:15 田村照子 顧問(文化女子大学)「快適性研究〜ヒトと衣服と環境を系としてとらえる〜」
 11:15〜12:30 原田隆司 顧問(御幸毛織(株))「快適性研究〜商品開発の立場から〜」
 13:15〜14:30 平田耕造 委員長(神戸女子大学)「快適性研究〜生理学的アプローチから〜」

2.ポスタ−発表(快適性委員による)
 14:40〜15:30
  米田守弘 委員(奈良女大)「接触温冷感と衣服素材はどのように関連するか?」
  石丸園子 委員(東洋紡総研)「夏場・冬場に快適を得る衣服の構造・仕組みは?生地の構造にはどんな種類があるか?」
  潮田ひとみ 委員(兵庫教大)「蒸れ感と温度・湿度はどのように関係するか?」
  薩本弥生 委員(横浜国大) 「着衣のふいご作用は放熱効果を促進するか?」
  嶋根歌子 委員(和洋女大) 「局所加温や局所冷却が効果のある部位は?」
  成瀬正春 委員(金城学院大)「高齢者の発汗特性を踏まえた衣服開発とは?」

3.総合討論(基調講演とポスター発表について)
 15:40〜17:00  
4.名刺交換(希望者のみ)
 17:00〜17:30終了
5.オプショナルツア−
 17:30−18:15 田村研究室見学(事前申し込み希望者先着25名限定)

[定  員] 100名
[参 加 費]  学校・官公庁会員:7,000円、 企業会員:10,000円、 非会員:15,000円、 学生:2,000円


第33回シンポジウム 2007.4.20に開催

 「衣服は第二の皮膚である」という表現がもっともよく当てはまる服種が,皮膚に近接して着用される肌着,靴下(靴を含める)でしょう.材料が皮膚 に近接して使用される場合,材料が皮膚に害を与えないこと,および,圧迫感がなく肌触りのよいことが必須の条件となります.これらのことを理解するために は,前者については皮膚の生理学,後者については皮膚感覚に関する知識がそれぞれ基礎として必要になります.以上のような背景をふまえて,今回は基調講演 に皮膚科学の専門家である市橋正光先生(神戸大学名誉教授)お招きし,研究発表として大学から2件,企業から商品開発の例を3件という構成でシンポジウム を開催しました.衣服を含めて皮膚に近接して用いられる製品に関わる研究および商品開発に携わっておられる方々にとって,基礎から応用までカバーした有益 な内容になりました.

[日時]2007年4月20日(金)10:20〜16:50 <終了しました>
[場所]兵庫県民会館 3階 303
   兵庫県神戸市中央区下山手通4-16-3 TEL: 078-321-2131 FAX: 078-321-2138
   http://hyogo-arts.or.jp/arts/kai.htm
  (JR,阪神「元町」駅下車 徒歩約7分)(地下鉄「県庁前」下車 東1・2番出口すぐ)
[内容]
10:20〜10:30 挨拶
10:30〜11:00 1.研究発表「引き締めたい!夢をかなえるトレ−ニングボトムの開発」
  キーワード"日常歩行,ヒップアップ,おなか引っ込め,インナーウェア"
   ………………………………………………ワコ−ル(株) 須藤 舞
11:00〜11:30 2.研究発表「 履物による生理的負担 〜ミュール型サンダルと運動靴の比較〜」
  キーワード "心拍数,筋放電量,足圧分布,歩行速度,歩行姿勢"
    ………………………………………金城学院大学教授 平林 由果
11:30〜12:00 3.研究発表「快適ハードサポートストッキング"Beauty Shape"」
  キーワード"ハードサポートストッキング,むくみ予防,静脈還流,高伸度高回復ポリウレタン"
   …………………………………………………グンゼ(株) 矢野 詩織
13:00〜14:30 4.基調講演「皮膚のバリア機能を高める衣服」
  キーワード"皮膚,バリア,角層,紫外線,アンチエイジング"
   ……………神戸大学名誉教授・サンクリニック院長 市橋 正光                             
14:40〜15:10 5.研究発表「肌に優しい素材"ベンセリック"」
  キーワード"ベンベルグR(キュプラ),複合繊維,肌に優しい"
   …………………………………………………旭化成(株) 出口 潤子
15:10〜15:40 6.研究発表「ランジェリー用布や化粧パフなどの肌触りを考える!」
  キーワード"表面特性,快/不快感,主観評価と客観評価"
   …………………………………京都工芸繊維大学教授 鋤柄 佐千子   
15:50〜16:30 総合討論
16:30〜16:50懇話会/名刺交換会(希望者)
   
[定 員] 80名
[参加費] 会員(学校,官公庁)6,000円,会員(団体,企業)9,000円,非会員12,000円,学生1,000円


第34回シンポジウム 2007.9.28に開催

 第34回の快適性を考えるシンポジウムは「冷えと寒冷時の衣服・生理」をテーマとして取り上げました。寒冷時に限らず、冷えに悩む女性は多く見ら れます。また、クールビズよりもウォームビズを取り入れる方がエネルギー排出量低減効果は高く、寒冷時の人体の生理反応を知り、休息や運動といった様々な 場面で衣服や衣服素材を適切に選択するための知見を得ることは、意義のあることと考えられます。
 今回は、解説講演として生理学がご専門の早稲田大学永島先生に「女性ホルモンが体温調節反応に与える影響:自律神経調節から温度感覚まで寒さに強くなる仕組み」をお話しいただきました。
 また、冷え性に関する実態調査と心理生理解析、高所用ウェアの熱・水分移動、冬用インナー・パジャマの心理生理的快適性、衣服が濡れた場合の人体の生理反応、真空断熱材のスポーツウェアへの応用といった5題の興味深い研究発表がありました。
 快適性を考えるシンポジウムの開催は34回を迎え、今回のような、寒冷時の衣服・生理に関するシンポジウムは、第3回(1987年10月)、第16回 (1998年10月)に続き、三度目の開催でした。寒冷時の衣服と人体生理に関する、ここ10年間の測定法の進展や知見についてはめざましいものがありま す。今回のシンポジウムも、衣服を含めて、皮膚に近接して用いられる製品に関わる研究者、商品開発に関わる方々にとって、基礎から応用までカバーした有益 な内容になったと自負しております。

〔日  時〕 2007年9月28日(金) 10:05〜16:50<終了しました>
〔場  所〕 兵庫県民会館10階「福」 
 兵庫県神戸市中央区下山手通4-16-3 TEL: 078-321-2131 FAX: 078-321-2138
  URL: http://hyogo-arts.or.jp/arts/kai.htm
  (JR、阪神「元町」駅下車 徒歩約7分、地下鉄「県庁前」下車 東1・2番出口すぐ)
〔内  容〕
10:05-10:15 挨拶
10:15-10:45 1.研究発表「冬用インナー、パジャマの心理生理的快適性について」
  キーワード:肌触り、リラックス、心電図、脳波
  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・東洋紡績(株)総合研究所 石丸 園子
10:45-11:15 2.研究発表「真空断熱材のスポーツウェアへの応用」
  キーワード:真空断熱材、VIP、冷蔵庫、可(か)撓(とう)性(せい)、シリカ、衣服内温度  
  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(株)デサント 板垣 良彦
11:15-11:45 3.研究発表「登山衣服などの高所用ウェアにおける熱と水分移動について」
  キーワード 低温環境,低圧環境,高所,着衣の熱と水分移動,衣服の濡れ
  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・福岡女子大学 深沢 太香子
13:00-14:30 4.解説講演「女性ホルモンが体温調節反応に与える影響:神経調節から温度感覚まで」
  キーワード:視床下部、冷え性、エストロゲン、褐色脂肪、行動性体温調節
  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・早稲田大学 永島 計

14:40-15:10 5.研究発表「実態調査にみる冷え性の季節、環境意識と生理心理解析」
  キーワード:冷え性、実態調査、自律神経活動、加齢変化、心理/性格特性
  ・・・・・・・・・花王(株)パーソナルヘルスケア研究所 矢田 幸博
15:10-15:40 6.研究発表「濡れた衣服がもたらす体温調節反応への影響」
  キーワード:濡れた衣服、体温調節反応、平均皮膚温、直腸温、温冷感
  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・長野県短期大学 前田 亜紀子

15:50-16:30 総合討論
16:30-16:50 名刺交換会(希望者)

〔定  員〕 80名
〔参 加 費〕会員(学校、官公庁) 6,000円、会員(団体、企業) 9,000円、非会員 12,000円、学生1,000円


第35回シンポジウム 2008.4.25に開催

 第35回快適性を考えるシンポジウムは「湿潤感と清涼感」をテーマとして取り上げました。我々は、皮膚表面より不感蒸泄として常に水分(水蒸気)を外部 環境に放出しています。また、暑熱環境で体温が上昇すると発汗により多量の水分が放出されます。汗の蒸発は、皮膚表面の環境(水蒸気圧)により影響を受け ます。一方、衣服内は不感蒸泄や汗の蒸発により外部環境とは異なる環境が形成されますが、衣服内の水蒸気圧および温度の調節は特に暑熱環境下での快適性を 決める大きな要因になります。
 今回は、解説講演として発汗の研究の第一人者で国際的学術雑誌に多数の論文を発表されている神戸大学の近藤徳彦先生に「ヒトはどのように体温を維持して いるのか? 汗の優れた能力?」というタイトルでお話いただきました。発汗調節のメカニズムや発汗調節を修飾する因子についての基礎的なお話をいただきま した。その他には、湿潤感や衣服内の温度をコントロールすることにより快適性を高めたり、スポーツにおけるパフォーマンスの向上させることを目的とした基 礎的、応用的な5題の研究発表がありました。
 快適感を評価するには、生理学的、心理学的反応に及ぼす衣服の効果について客観的・科学的で説得力のあるデータが求められます。快適性のエビデンスとな るデータを得るためには、生体機能の理解は大変重要です。本シンポジウムでは、これまでも生体機能に関する基礎的な内容の解説講演をそれぞれの専門の方々 に行っていただいていますが、今回の講演も大変参考になったと確信しております。また、応用的研究発表は今後の製品開発の有益なヒントが得られる可能性が あるのではないかと思います。

【日時】 2008年4月25日(金)10:00〜17:00<終了しました>
【会場】 兵庫県民会館 3階 303
     兵庫県神戸市中央区下山手通4-16-3、 TEL.078-321-2131 FAX.078-321-2138
(JR,阪神「元町」駅下車 徒歩約7分)、(地下鉄「県庁前」下車 東1・2番出口直ぐ)

【内容】
10:00−10:10 開会の挨拶
10:10−10:45 研究発表1 「発汗の変動特性から暑熱下の不快感を考える」
   キーワード:発汗 変動特性 周波数解析 温冷感 湿潤感 暑熱馴化
    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・文化女子大学 佐藤真理子
10:45−11:20 研究発表2 「肩関節手術後の外転防止装具の作成 −装具内環境と装着感の比較−」
   キーワード:整形外科装具 装具内環境 装着感 関節可動性 QOL
    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・京都府立医科大学附属病院 北村 治子
11:20−11:55 研究発表3 「人間にもともと備わっている生理クーラーについて」
   キーワード:人体並行風 完全蒸発 湿球温度 580カロリー 冷却 皮膚面温度
    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・株式会社 空調服 市ヶ谷弘司
(11:55−12:50 昼食)
12:50−14:20 解説講演 「ヒトはどのように体温を維持しているのか? 汗の優れた能力?」
   キーワード:運動,温熱性要因,非温熱性要因
    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・神戸大学 近藤 徳彦
(14:20−14:30 休憩)
14:30−15:05 研究発表4 「清涼スポーツシャツの開発」
   キーワード:清涼感、平均皮膚温、着用感
    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・旭化成せんい 吉澤 知佐、兵庫教育大学 潮田ひとみ
15:05−15:40 研究発表5 「次世代型自己調節機能素材 MRTファイバー」
   キーワード:スマートテキスタイル、水分応答、通気調節、凹凸調節、着用快適性
    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・帝人ファイバー株式会社 堀川 直幹
(15:40−15:50 休憩)
15:45−16:35 総合討論 
16:35−17:00 閉会の挨拶・名刺交換会

[定 員]80名
[参加費]会員(学校,官公庁)6,000円,会員(団体,企業,個人)9,000円,非会員12,000円,学生1,000円


第36回シンポジウム 2008.9.5に開催

 第36回の快適性を考えるシンポジウムは衣服圧をテーマとして取り上げました.中世の貴婦人がコルセットを着用して極限までウエストを締め上げたことで 生じる衣服圧とまではいかなくても,着用すると息苦しく血流を阻害するほどの衣服圧を生じるボディースーツやガードルが痩身の目的で販売されていた時代も ありました.このように高すぎる衣服圧は不快でしかありませんが,健康志向の昨今,医療用としてのみでなく日常的にも着用時に適度な圧力を生じさせること で健康にプラスとなる製品が開発されています.
 今回は,解説講演として文化女子大学田村照子先生と東海病院下肢静脈瘤・リンパ浮腫・血管センタ−平井正文先生をお迎えしました.田村先生は産学協同で 衣服圧の測定方法と表示に関する衣服圧研究会を開き,昨年度,提言として報告書をまとめておられます.この研究会の内容を含めて衣服圧についてお話をいた だきました.平井先生はむくみや静脈瘤を防ぐための衣服圧に関して医療の立場からお話をいただきました.また,精力的に衣服圧研究を続けておられる信州大 学三野先生,衣服圧を利用した製品開発にかかわった企業の研究者の方々に研究発表をしていただきました.
 衣服着用時の快適性にかかわる三要素として,衣服内気候,肌触りとともに挙げられる衣服圧ですが,着用して歩くことでメタボ対策をはかるなど,スマートテキスタイルとしての様相もうかがえます.衣服圧の基礎から応用までカバーしたシンポジウムとなりました.

〔日時〕
 2008年9月5日(金)<終了しました>
〔会場〕 兵庫県民会館 
  兵庫県神戸市中央区下山手通4-16-3、 TEL.078-321-2131
  (JR,阪神「元町」駅下車 徒歩約7分)、(地下鉄「県庁前」下車 東1・2番出口直ぐ)
〔内容〕
9:50〜10:00  挨拶 
10:00〜10:35 1.研究発表「衣服圧に着目した高機能ウェアの開発」
  キーワード:衣服圧,インナーマッスル,大腰筋,肩甲骨,骨盤,アライメント
  ・・・・・・・・・・・・(株)アシックス 勝 眞理
10:35〜12:05 2.解説講演「アパレル製品設計における衣服圧研究の原状と課題」
  キーワード:衣服圧,測定法,標準化,生体影響,製品開発
  ・・・・・・・・・・・・文化女子大学 田村 照子
(12:05〜12:55 昼食)
12:55〜14:25 3.解説講演「むくみと静脈瘤,リンパ浮腫を防ぐ弾性ストッキング」
  キーワード:むくみ,下肢静脈瘤,リンパ浮腫,弾性ストッキング,圧迫圧,運動
  ・・・・・・・・・・・・東海病院下肢静脈瘤・リンパ浮腫・血管センタ−長 平井 正文
(14:25〜14:35 休憩)
14:35〜15:10 4.研究発表「機能性素材バイオラバーとは」 
  キーワード:インテリジェントファンクション,知的機能,繊細素材,DNA活性素材,ウェットスーツ,水着
  ・・・・・・・・・・・・・・・・・山本化学工業(株) 山本 富造
15:10〜15:45 5.研究発表「着方・整容効果と快適な衣服圧」
  キーワード:衣服圧,整容効果,快適性,きつさ感覚,着方  
  ・・・・・・・・・・・・信州大学  三野 たまき 

(15:45〜15:55 休憩)

15:55〜16:45   総合討論 
16:45〜17:00   閉会の挨拶・名刺交換

〔定員〕80名
〔参加費〕会員(学校,官公庁)7,000円,会員(団体,企業)10,000円,非会員13,000円,学生1,000円


第37回シンポジウム 2009.4.24に開催

 第37回の快適性を考えるシンポジウムは「寝装・寝具」をテーマとして取り上げました.快適性を考えるシンポジウムでは,第1回,第14回,第26回に 寝具,寝装品を取り上げてきました.人生の3分の1は睡眠に時間を費やしている,ということはよく言われますが,心身の機能の維持および改善のために,睡 眠は重要な役割を果たしています.寝具,寝装品のあり方を理解することで,より良質な睡眠を得ることができます.また,介護の分野においても,褥瘡を回避 するために,寝装・寝具の役割はとても大きいと言われています.
 今回は,解説講演として東京北社会保険病院神山潤先生と,東北福祉大学水野一枝先生をお迎えしました.神山先生は,脳科学,および,メラトニン,セロト ニンのホルモン分泌の視点から,睡眠の重要性を説かれ,生活のあり方まで踏み込んだお話をしてくださいます.水野先生からは,睡眠時の温熱環境が人体の生 理反応に及ぼす影響についてお話をいただきました.また,岩手県立大学武田先生は,皮膚血流と圧力と褥瘡のメカニズムについての研究発表をしてくださいま した.企業の研究者の方々には,褥瘡を予防することを目的としたマットレスや,快適な睡眠にいざなう枕について研究発表をしていただきました.
 睡眠を医学,生理学,商品開発のそれぞれの立場で捉え,一般的な寝装,寝具から,介護に必要な寝装,寝具まで,幅広い情報を得ることができ,より良い睡眠のあり方を考えることができるシンポジウムをセッティングいたしました.

[日 時〕2009年4月24日(金)9:50〜17:00<終了しました>
〔会 場〕大阪産業創造館6F会議室E(大阪市中央区本町1-4-5)
    地下鉄 中央線・堺筋線「堺筋本町」(2)(12)出口 徒歩5分
〔協 賛〕(社)繊維学会,(社)日本繊維機械学会,(社)日本家政学会

〔内 容〕
09:50〜10:00 挨拶
10:00〜10:35 1.研究発表 「3次元スプリング構造体繊維を用いた床ずれ予防マットレスの開発」
   キ−ワ−ド:床ずれ防止,感性工学,3次元スプリング構造繊維,臨床事例,マットレス構造
   ・・・・・・・パナソニック電工(株) 中村 政行
10:35〜12:05 2.解説講演  「温熱環境と睡眠」
   キ−ワ−ド:睡眠,体温,寝床内気候,高温環境,低温環境
   ・・・・・・・・・・東北福祉大学 水野 一枝 
(12:05〜12:55)昼食
12:55〜14:25 3.解説講演   「生体時計を知って快適に過ごそう」 
   キ−ワ−ド:生体時計,朝の光,セロトニン,メラトニン
   ・・・・・・・東京北社会保険病院  神山 潤
       
(14:25〜14:35) 休憩 
14:35〜15:10 4.研究発表 「枕の高さが夜間睡眠に及ぼす影響」    
   キ−ワ−ド:最適高枕,頸椎弧,身体症状愁訴,夜間睡眠,コンサルティング
   ・・・・・・・・・ ロフテ−(株) 鍛冶 恵
15:10〜15:45 5.研究発表 「床ずれの発生要因に関する基礎的研究」 〜生理学的変化から病理学的変化まで〜
   キ−ワ−ド:床ずれ,褥瘡,皮膚血流,組織変化,基礎研究
   ・・・・・・・・・岩手県立大学 武田 利明
(15:45〜15:55) 休憩
15:55〜16:45 総合討論
16:45〜17:00 閉会の挨拶・名刺交換

〔定員〕80名
〔参加費〕会員(学校,官公庁)7,000円,会員(団体,企業)10,000円,非会員13,000円,学生1,000円


第38回シンポジウム 2009.10.23に開催

 今回は,「寒冷時の生理と衣服による保温効果の意義」をテーマとして取り上げました.寒冷環境下において,ヒトは皮膚血管の収縮・拡張により皮膚表面か らの熱放散を制御する体温調節機構が備わっています.冬季,「ウォームビズ」が推進され,最もエネルギー排出量低減効果が高い服装による寒さ調整が求めら れていますが,ストレスの多い現代生活において,急激な気温変化や皮膚への寒冷刺激は人体にどのような影響を及ぼすのでしょうか.さらに,保温効果を付加 した新感覚の素材や商品の開発,それらに対応し,表示性能を検証する性能試験はどのように行われているのでしょうか.
 今回は,解説講演として山梨県環境科学研究所永井正則先生と快適性・健康研究委員会顧問の田村照子先生をお迎えしました.永井先生には皮膚に寒冷刺激を 与えた時の胃腸運動に及ぼす影響について、自律神経活動を直接計測しておられる立場でお話をいただきました.田村先生には,人体表面の温度、局率、熱流 束、冷覚感受性の分布、並びに局所冷負荷に対する人体の生理・心理反応等に関する情報を基盤として、寒冷時の衣服設計の考え方、人間の健康を視座にすえた 快適着装のあり方についてお話いただきました.企業の研究者の方々には,心地良い蒸気温熱で身体を積極的に温め健康にプラスとなる製品の開発や,寒冷下で の防水透湿布の機能や利便性を高めた製品,新たな切り口の熱特性試験方法の開発や導入事例を研究発表していただきました.寒冷時の体温調節や局所加温の効 果を知り,休息や運動といった様々な場面で衣服や衣服素材を適切に選択するための知見を得ることは,意義のあることと考えられます.衣服を含めて,皮膚に 近接して用いられる製品に関わる研究者,商品開発を担当される方々にとって,基礎から応用までカバーした有益な内容となるシンポジウムをセッティングしま した.

〔日時〕2009年10月23日(金)9:50〜17:00<終了しました>
〔会場〕ドーンセンター(大阪府立男女共同参画・青少年センター)5F 特別会議室
    大阪市中央区大手前1-3-49 TEL:06-6910-8500
     (京阪天満橋駅・地下鉄谷町線天満橋駅から東へ徒歩5分)
〔協賛〕繊維学会,日本繊維機械学会,日本家政学会
〔内容〕
09:50〜10:00 挨拶
10:00〜10:35 1.研究発表 「蒸気温熱発生体の技術と身体を温める健康価値」
   キーワード:蒸気温熱発生体,血のめぐり,コリ痛み,自律神経,疲れ目
   ・・・・・・・・・花王(株)ヘルスケア研究所 鈴木 敦
10:35〜12:05 2.解説講演 1「寒冷時の胃腸運動 」
   キーワード:胃腸運動,自律神経,温熱刺激,スキンドファイバー,内臓血流
   ・・・・・・・・・・山梨県環境科学研究所 永井正則 
(12:05〜12:55)昼食

12:55〜14:25 3.解説講演 2「ヒト皮膚表面の温熱的ジオグラフィーとこれに基づく寒冷時の衣服設計」 
   キーワード:皮膚温、人体表面曲率、熱流束、冷覚感受性、局所冷負荷反応、
   ・・・・・・・・・・文化女子大学 田村照子
(14:25〜14:35) 休憩 
14:35〜15:10 4.研究発表 「寒冷条件下における防水透湿布のはたらきについて」    
   キーワード: 寒冷,防水性,透湿性,結露、快適性
   ・・・・・・・・・ジャパンゴアテックス(株) 久保 徹也
15:10〜15:45 5.研究発表 「熱特性の試験方法について−カケンにおける近年の取り組み−」 
   キーワード:熱抵抗及び透湿抵抗測定,潜熱移動,顕熱移動,ISO11092,ASTM F1869,吸湿発熱,駆動型サーマルマネキン
   ・・・・・・・・・・(財)日本化学繊維検査協会 倉本幹也
(15:45〜15:55) 休憩
15:55〜16:45 総合討論
16:45〜17:00 閉会の挨拶・名刺交換

〔定員〕80名
〔参加費〕会員(学校,官公庁)7,000円,会員(団体,企業)10,000円,非会員13,000円,学生1,000円


第39回シンポジウム 2010.4.23に開催

 今回は,「暑熱環境下での体温調節の仕掛けと体温調節を手助けする衣服の実践例」をテーマとして取り上げました.ヒトには,暑熱環境下でも体温を一定に 維持し,快適性を享受できる仕掛けが授けられています.また,市場には,暑熱環境下での体温調節を手助けする衣服が供給されています.解説講演では,暑熱 環境下でも体温を一定に維持し,快適性を享受できる生理的仕組みについてお話ししいただきました.大阪工業大学の松村潔先生には,最近の話題を交えなが ら,体温を一定に保つための体温調節の神経機構の仕組みを分かり易くお話しいただきました.信州大学の西松豊典先生には,暑熱環境下でも快適性を享受でき る心地を,ヒトの肌の触感を切り口にした接触温冷感,手触り感,材質感に着目してお話しいただきました.研究発表では,発汗分布と濡れ率に関する研究成果 を基にして,暑熱環境下での暑熱感覚についてお話しいただきました.
 更に研究発表として,暑熱環境下での体温調節を手助けする衣服の実践例を紹介していただきます.スポーツアパレル分野から,暑熱時の体温調節を容易にす る衣服の実践例として,打ち水の効果を取り込んだ清涼スポーツウェアについて紹介していただきました.次に,暑熱環境における衣服による暑熱ストレス対策 の実践例として,歩行時または風を受けたときの湿熱抵抗をサーマルマネキンで評価する研究成果を発表していただきました.
 暑熱環境下での体温調節に関する神経回路の基礎から体温調節を手助けする衣服の実践例まで幅広い有益な内容のシンポジウムを企画しました.

[日  時] 2010年4月23日(金)<終了しました>
[会  場] ドーンセンター(大阪府立男女共同参画・青少年センター)4F 大会議室 1
      大阪市中央区大手町1-3-49 TEL:06-6910-8500
      (京阪天満橋・地下鉄谷町線天満橋駅から東へ徒歩5分)
[協  賛] 繊維学会,日本繊維機械学会,日本家政学会
[内  容]
  09:50〜10:00 挨拶
  10:00〜11:35 1.解説講演 1「体温調節の神経機構:基礎と最近の話題」
         キーワード:温度受容イオンチャンネル,褐色脂肪組織,発熱,神経回路
           ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大阪工業大学 松村 潔
  11:35〜12:10 2.研究発表「暑熱環境下におけるヒトの発汗分布と濡れ率について」
         キーワード:蒸散量,発汗分布,性差,濡れ率,暑熱感覚
           ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・文化女子大学 山田 巧
  12:10〜13:00 (昼食)
  13:00〜14:30 3.解説講演 2「温冷感と心地(材質感,手触り感,歩き心地)との関係」
         キーワード:接触温冷感,能動的蝕運動,心地,接触温度
           ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・信州大学 西松豊典
  14:30〜14:40 (休憩)
  14:40〜15:15 4.研究発表「気化熱促進による清涼スポーツウェア」
         キーワード:打ち水,発汗,生地表面水分拡散,太陽光線吸収物質,気化熱
           ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(株)デサント 加藤 吉幸
  15:15〜15:50 5.研究発表「風または歩行条件下の衣服の湿熱抵抗変化」
         キーワード:ISO 9920,ISO 7933,サーマルマネキン,湿熱抵抗,有風
           ・・・・・・・・・・・・・・・・・・労働安全衛生総合研究所 上野 哲
  15:50〜15:55 (休憩)
  15:55〜16:45 総合討論
  16:45〜17:00 閉会の挨拶・名刺交換
[定  員] 80名
[参 加 費] 会員(学校,官公庁)7,000円,会員(団体,企業)10,000円,非会員13,000円,学生1,000円


第40回シンポジウム 2010.10.22に開催

「快適性を考えるシンポジウム」は40回目を迎えました. 今回のシンポジウムは,快適性研究を始めて間もない方や,これから研究を始めようとしておられる方,さらに快適性をより深く勉強したいと思っておられる方 々を対象として開催しました.本学会誌におけるシリーズ「快適性を理解するためのQ&A−つぎの16話」の連載開始を契機として,快適性・健康研 究委員会のメンバーが総力を挙げて実施いたしました.
 今回の構成は,下記のとおり基調講演,ポスター発表および総合討論からなります.はじめに,快適性・健康研究委員会が誇る気鋭の若手研究者による,快適 性研究の基礎に関わる基調講演を3題(質疑応答を含む)お届けしました.つぎにポスター発表として,シリーズ「快適性を理解するためのQ&A−つ ぎの16話」のトピックその1〜16について,委員会メンバーが解説し,その場で質疑応答を行いました.最後に,基調講演およびポスター発表の内容に対す る理解を深めるため,本シンポジウムの特徴である総合討論にたっぷりと時間をとって行ないました.

〔日  時〕 2010年10月22日(金)10:00〜17:00 <終了しました>
〔会  場〕 追手門学院 大阪城スクエアーホールC・D (ドーンセンター南隣)(URL:http://www.otemon-osakajo.jp
  〒540-0008 大阪市中央区大手前1-3-20  (追手門学院大手前中・高等学校本館6階)

〔内  容〕
1. 基調講演(10:00〜13:10) 座長:小柴朋子(文化女子大学),堀川直幹(帝人ファイバー(株))
 鷹股 亮 (奈良女子大学 教授) 「重力,性周期と体液,循環,体温調節機能」
 我々は,1Gの重力環境下で多くの時間を立位,または座位で生活している.立位で生活する動物はヒトだけであるが,この姿勢は各種生理機能に対して大き な負荷となる.重力が生体に及ぼす影響について特に浮腫形成,循環機能,体温調節との関連から解説する.重力が浮腫形成や循環機能に及ぼす影響と性周期の 関連についても述べる.これらは衣服圧による生体機能の補助を考える上での基礎データとなると考える.

 石丸 園子 (東洋紡績(株)総合研究所 部長) 「快適性に優れる繊維製品の開発手法について」
 快適性はあいまいな感覚用語で表現されるが,繊維製品を開発するためには,その感覚を定量的に捉える必要がある.主観評価,機器評価,生理評価を駆使して,効率的・効果的に快適性に優れる繊維製品を開発するための留意点などについて,話題提供する.

 薩本 弥生 (横浜国立大学 准教授) 「環境に優しく,温熱的に快適な衣服を科学する」
 地球温暖化防止に貢献するとしてクールビズなど環境共生型の衣服が注目されている.衣服の環境共生にも温熱的快適性にも着衣の熱水分移動性が影響し,着 衣の伝熱現象には保温性等の素材特性や衣服のデザイン要因,環境条件など,様々な要因が寄与する.そこで,人間-衣服-環境をシステムとして捉え,複合的 に評価し,環境にも優しく,着用者自身にも快適な衣生活を営むためには,なにが重要であるのかについて,話題提供する。

昼 食 (13:10〜14:00)

2.ポスター発表(14:00〜15:30) 座長:井上真理 (神戸大学)
 快適性・健康研究委員会のメンバーが,下記の話題について解説・質疑応答しました.
  その1:夏を快適に過ごす衣服とは?            その2:体熱平衡と快適感との関係は?
  その3:蒸れ感・濡れ感と温度・湿度との関係は?    その4:高齢者の体温調節は?
  その5:高齢者の発汗特性に適した衣服開発とは?   その6:接触温冷感と衣服材料の関係は?
  その7:子どもの体温調節と快適な衣服の関係は?   その8:冬を快適に過ごす衣服とは?
  その9:局所加温や局所冷却が効果のある部位とはどこですか?
  その10:快適性の生理実験で留意する点はどのようなことですか?〜運動・食事〜
  その11:快適性の生理実験で留意する点はどのようなことですか?〜性周期・時刻・睡眠〜
  その12:SD法は着用テストによる快適性評価に有効ですか?
  その13:被覆部位の違い(体躯と四肢)は体温に影響しますか?
  その14:下着のしめつけが身体の機能に悪影響を及ぼすメカニズムはどのようなものですか?
  その15:着衣のふいご作用と放熱促進効果の関係はどうなっていますか?
  その16:快適性評価のための血流量測定に最適部位はあるのでしょうか?

3.総合討論(15:45〜16:45) 座長:田村照子(文化女子大学),原田隆司(元東洋紡)
 参加者と快適性・健康研究委員会のメンバー全員および参加者の間で,基調講演ならびにポスター発表の話題を中心として質疑応答を行いました.

4.名刺交換会(16:45〜17:00)

〔定  員〕  100名
〔参 加 費〕 学校・公官庁会員:7,000円、団体・企業会員:10,000円、非会員:13,000円、学生:1,000円(いずれもテキスト含む)


第41回シンポジウム 2011.4.22に開催

  第41回は身体圧迫が生体に及ぼす影響と健康・快適な衣服圧をテーマとして取り上げました。今回の解説講演には、東京大学大学院の石井直方先生と富山大学の諸岡晴美先生をお迎えしました。
 高齢社会が進行している現在、筋機能の改善を図ることはスポーツ活動ばかりでなく、高齢者の転倒予防、生活習慣病の予防、リハビリテーショなど多方面で の応用が期待され、益々重要になっています。ユニークなトレーニング法として知られている「加圧トレーニング」は、運動時に一定の圧迫を加えると筋血流が 適度に阻害されるため、過酷な運動をしたときのような生体反応が生じるそうです。石井直方先生には、身体圧迫に伴う生体の不思議な反応のメカニズムを詳し く解説していただきました。
 諸岡晴美先生は、弾力靴下、補整用ブラジャー、ウェストニッパー、ベルト、競泳用水着、サポートパンティストッキングなど様々な被服を対象として衣服圧 の影響を研究しておられます。生理的な指標として筋電位測定、脳波測定、心拍数、血圧、皮膚血流量および呼吸機能など、実に幅広い項目のデータ解析を行な い、快適圧や限界圧およびその要因分析を行っておられます。当日は「圧的側面からみた健康・快適と製品設計」と題してお話しいただきました。
 研究発表は、愛知医科大学耳鼻咽喉科の谷川徹先生、岡本(株)の庄健二氏、(株)デサントの山中康裕氏、企業・大学併せて3件の発表をしていただきまし た。快適性にかかわる衣服圧ですが、低血圧者のめまいに対する加圧ストッキングの効果や靴下の圧迫快適性、姿勢を意識して開発された商品に関する発表な ど、今回のシンポジウムでは衣服圧に関連する研究の基礎から応用まで網羅されています。

〔日  時〕 2011年4月22日(金)10:00〜17:00<終了しました>
〔会  場〕 京都市産業技術研究所 2階多目的ホール
 〒600-8815 京都市下京区中堂寺粟田町91番地 <京都リサーチパーク9号館南棟>
 
〔内  容〕 
10:15〜11:45
1. 解説講演 「加圧トレーニングによる生体の適応変化」
   キーワード:局所的血流制限、トレーニング、筋肥大、生体適応
   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 東京大学大学院総合文化研究科 石井 直方
11:45〜12:15
2. 研究発表 「靴下の圧迫快適性」
   キーワード:着圧靴下、履きやすさ、口ゴム圧迫圧、ずり落ち
   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 岡本(株)  庄 健二
12:15〜13:05   昼 食 
13:05〜14:35
3. 解説講演 「圧的側面からみた健康・快適と製品設計」
   キーワード:衣服圧測定、テーピング機能、生理反応、健康、快適
   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 富山大学人間発達科学部 諸岡 晴美
14:35〜14:45   休 憩
14:45〜15:15 
4. 研究発表 「加圧ストッキングが低血圧に伴う女性のめまいに及ぼす影響」
   キーワード:加圧ストッキング、低血圧、めまい、快適性
   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 愛知医科大学耳鼻咽喉科  谷川 徹
15:15〜15:45
5. 研究発表 「姿勢を意識させるインナー「シセイスト」の商品開発」
   キーワード:姿勢,意識する,新生活の提案 機能性と快適性の両立
   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ (株)デサント マーケティング部門 山中 康裕
15:45〜15:55   休 憩
15:55〜16:45 総合討論
16:45〜17:00 名刺交換会

〔定  員〕 80名
〔参 加 費〕 会員(学校・公官庁):7,000円、会員(団体・企業):10,000円、非会員:13,000円、学生:1,000円 (いずれもテキスト含む)


第42回シンポジウム 2011.10.21に開催

  第42回の快適性を考えるシンポジウムは,「感覚をめぐる諸問題−最新理論でひもとく,感覚世界の新展開−」をテーマとして取り上げました.今回の解説講 演には,京都大学の小林茂夫先生をお迎えし,午後の時間を使って「脳が作る感覚世界―生体にセンサーはない―」のテーマでじっくりとお話しを伺い,更に, ミニシンポジウムを開催しました.
 小林茂夫先生は,2006年にコロナ社より,「脳が作る感覚世界−生体にセンサーはない−」を刊行されています.

 − 体の外には音も光もない.ものが出す空気波や電磁波が届くと,耳や目にある波の受容器は比較器として働き,インパルスを脳に向けて出す.インパルスが脳の 標的ニューロンを活動させると,「情報」が発現して感覚世界が現れる.私たちは,脳が生み出した音を聞き,ものを見る.− 私の唱える感覚のしくみ                      
 「脳が作る感覚世界−生体にセンサーはない−より引用」

 先生には,2009年日本繊維製品消費科学会年次大会の快適性企画講演において,「皮膚温調節機構の新展開」というタイトルでお話しい ただきました.「感覚の受容器は従来考えられてきたようなセンサーではなくスイッチである」といった内容は,参加者にとっては新知見であり,企画講演の質 疑応答時間が終了しても,演壇のまわりには参加者が集まり,小林先生を取り囲んで1時間ほど質疑応答が続きました.今回は,感覚を生理学の手法で解析した 脳が作る感覚世界と最新の知見についても詳しく解説していただきました.
 ミニシンポジウムでは,快適性・健康研究委員会発行による「快適性を理解するためのはじめの16話・つぎの16話」をサブテキストとして用い,この最新の知見によって従来の感覚をめぐる諸問題がどのように解釈できるのかを具体例を用いて分析していきました.
 また,接触冷温感のその後の展開に関する研究発表を,奈良女子大学の米田守宏氏,湿潤感に関する研究発表を兵庫教育大学の潮田ひとみ氏,キシリトールによる吸湿放熱を用いた繊維に関する研究発表を倉敷紡績株式会社の高木昭典氏にお願いしました.

〔日  時〕 2011年10月21日(金)10:00〜17:00<終了しました>
〔会  場〕 京都市産業技術研究所 2階多目的ホール
 〒600-8815 京都市下京区中堂寺粟田町91番地 <京都リサーチパーク9号館南棟>
 JR嵯峨野線(山陰線) 丹波口駅(京都駅より1駅)下車,西へ徒歩約8分 <アクセス>
 TSUTAYA(本屋)のある黒い大きな建物の東側(駐車場側)を少し南に入った所にある研究所の入口(東側にある建物の入口のうち,最も南の入口.入ったら事務室がある)から入り,奥のエレベーターで2階にお上がり下さい.
〔内  容〕 
1.(10:15〜10:45) 研究発表 「接触冷温感の客観的評価およびその後の展開」
   キーワード:接触冷温感,温度受容器,過渡的熱伝導,熱浸透率
   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 奈良女子大学 米田守宏
2.(10:45〜11:15) 研究発表 「湿潤感はどのように知覚されているのか」
   キーワード: 湿潤感,変化速度,ぬれ面積率,濡れ感,蒸れ感
   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 兵庫教育大学 潮田ひとみ
3.(11:15〜11:45) 研究発表 「涼感 クールレイ」
   キーワード: 温度変化,吸熱反応,温度感覚,キシリトール,
   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 倉敷紡績(株) 技術部開発課 高木昭典
  (11:45〜12:50)   昼 食 
4.(12:50〜14:20) 解説講演 「脳が作る感覚世界―生体にセンサーはない―」<タイトルをクリックすると、小林茂夫先生の文章(PDF)が表示されます。>
   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 京都大学 小林 茂夫
  (14:20〜14:50)   休 憩
5.(14:50〜16:30)感覚をめぐる諸問題に関するミニシンポジウム
   シンポジスト:講師陣,平田耕造,原田隆司,鷹股亮,
6.(16:30〜16:55)名刺交換会

〔定  員〕 80名
〔参 加 費〕 会員(学校・公官庁):7,000円,会員(団体・企業):10,000円,非会員:13,000円,学生:1,000円


第43回シンポジウム 2012.4.27に開催

  第43回の快適性を考えるシンポジウムは,「生体情報によって快適性はどこまで測れるのか」をテーマとして取り上げました. 
従来,人間が衣服の快適性を評価する方法として主観申告による官能評価がなされていますが,現在,人間の主観以外の客観的指標による評価方法を確立するこ とが望まれています.特に,自らが快適な衣環境を維持するのが難しい高齢者や乳幼児のQOLにとって重要なことといえます.
これまで,心拍変動や,唾液アミラーゼ活性は自律神経活動の指標として,唾液に含まれるホルモン濃度などはストレスに対する内分泌反応であることからストレス指標として提案され,それが,快適性評価にも応用されています.
 昨今,装置自体が普及してきたため,どこまで快適性指標に応用できるかに関して,きちんとその原理を理解し,計測に際しての注意点,計測できる限界等について知らないまま計測しているケースが増加していると思われます.
 そこで,今回の基調講演では,愛知医科大学の岩瀬先生と,岩手大学の山口先生をお迎えし,自律神経活動や内分泌系のメカニズムについて,お話を伺いました.
岩瀬先生は,自律神経活動を直接ヒトで測定され,各種刺激と自律神経反応,自律性の生体応答との関連を明らかにする研究をされています.そこで,心拍変動と交感神経活動との相関などを含めてそのメカニズムを分かりやすくお話いただきました.
 山口先生には,自律神経活動や内分泌系活動を,非侵襲で評価するための一つのツールとして,唾液アミラーゼ活性およびホルモン濃度測定の原理と実際の測定例について,快適性と関連付けてご紹介いただきました.
 研究発表では,快適性評価に心拍変動,唾液のアミラーゼ活性・ホルモン濃度などを用いた研究事例を紹介いただき,どこまで計測できたか,その研究成果と限界や問題点についても披露いただきました.快適性評価法の方法論とそのメカニズムを共有することを目標にしました.

〔日  時〕 2012年4月27日(金)10:00〜17:00<終了しました>
〔会  場〕 京都市産業技術研究所 2階多目的ホール
       〒600-8815 京都市下京区中堂寺粟田町91番地 <京都リサーチパーク9号館南棟>
 JR嵯峨野線(山陰線) 丹波口駅(京都駅より1駅)下車,西へ徒歩約8分
 TSUTAYA(本屋)のある黒い大きな建物の東側(駐車場側)を少し南に入った所にある研究所の入口(東側にある建物の入口のうち,最も南の入口(入ったら事務室がある)から入り,奥のエレベーターで2階にお上がり下さい.
〔内  容〕 
開会の挨拶(10:00〜10:10)                         
1.(10:10〜11:40)基調講演 自律神経系の生体情報が生体システムに及ぶ影響
  キーワード:ストレス,交感神経活動,リラクセーション,副交感神経活動
  ………………………………………… 愛知医科大学 岩瀬  敏
2.(11:40〜12:10)研究発表 衣服圧が心拍変動におよぼす影響
  キーワード:衣服圧,ストレッチ素材,心拍変動,交感神経活動,副交感神経活動
   …………………………………………文化学園大学 小柴 朋子
3.(12:10〜12:45) 研究発表 乳幼児と高齢者の快適性評価
  キーワード:唾液アミラーゼ、心拍変動、自律神経、
   …………………………………………ユニ・チャーム株式会社 ベビー関連:丹下 明子、高齢者関連:青山 史絵
(12:45〜13:35)   昼   食
4.(13:35〜15:05) 基調講演 唾液マーカーを用いたストレス可視化技術
  キーワード:ストレス,唾液アミラーゼ,唾液コルチゾール,皮膚マーカー
   ………………………………………… 岩手大学 山口 昌樹
5.(15:05〜15:35) 研究発表 おしゃれが心身の高揚効果に及ぼす影響 −唾液中のストレスホルモン分析による検討−
  キーワード:おしゃれ、高揚感、唾液ホルモン、唾液コルチゾール
   ………………………………………… 金城学院大学 平林由果
(15:35〜15:50)   休  憩
6.(15:50〜16:40)総合討論
(16:40〜16:55)閉会のあいさつ・名刺交換会

〔定  員〕 80名
〔参 加 費〕 会員(学校・公官庁):7,000円,会員(団体・企業):10,000円,非会員:13,000円,学生:1,000円


第44回シンポジウム 2012.10.26に開催

 第44回の快適性を考えるシンポジウムのテーマは、「触感」です。ヒトはさまざまなモノに触れて日々の生活を送っています。ヒトはモノと接触する ことにより、そのモノの硬さや表面の滑らかさといった物理的な特徴を認知するだけではなく、触れた感じの好ましさ(快不快)といった情動(感情)が生じま す。繊維製品の世界では、布の風合いを科学的に解明する研究が1920年代から長きに渡ってなされてきました。1972年には、風合いの構成要素は、織物 の形態および物性、刺激情報の伝播機構、心理現象の3つであることが、熨斗秀夫氏によって提唱されていますが、これまで風合い研究は、主に布の物性から主 観評価に対応する風合いを客観評価することで進んできました。
本シンポジウムでは、この刺激情報の伝播機構、心理現象にあたる部分の研究、すなわち急速な進歩を遂げているセンサ技術を含んだ心理物理や脳科学、認知科 学に焦点をあてた3件の基調講演、1件の研究発表とこれまでの風合い研究の歴史をたどる研究解説を企画いたしました。自然科学研究機構生理学研究所の北田 亮先生には、これまでに明らかになった触覚による物体特徴の認識に関わる心理物理学的・脳認知科学的な機構について概説していただきました。慶応義塾大学 の前野隆司先生には、触感の定量化や心理物理実験に基づく物理特性と心理特性の関係についてお話いただきました。また、甲南大学の才脇直樹先生には、衣服 のさわり心地に関する情報科学的アプローチとして、脳機能計測、触感センサに関するお話をうかがいました。
 研究発表では、資生堂の川副智行様より化粧品における触感と触動作センシング技術の開発についてお話いただきました。また、布の風合い研究の過渡期に、 長年快適性研究に携わってきた、当委員会の原田隆司顧問が布の風合い研究50年の歴史と課題について、研究解説をしました。
 実際には、温熱環境因子、衣服圧を含む動きやすさの因子に並んで快適性の主要因の一つでありながら、主要な文献には快適要因として取り入れられていない 触感。本シンポジウムで長年の歴史とともに最先端の研究でもある「触感」研究に触れるとともに、色々な角度からの新しい知見をどう整理したらよいのか、総 合討論で話し合いました。

〔日 時〕2012年10月26日(金)9:50〜17:00<終了しました>
〔会 場〕キャンパスプラザ京都 第1講義室(5階)
    〒600-8216 京都市下京区西洞院通塩小路下ル(JR京都駅ビル駐車場西側,ビックカメラ前)
〔定  員〕 80名
〔参 加 費〕 会員(学校・公官庁):7,000円,会員(団体・企業):10,000円,非会員:13,000円,学生:1,000円
〔内 容〕
(9:50〜10:00)開会のあいさつ
1.(10:00〜11:20)基調講演「触覚の物体認知に関わる脳内メカニズム」
 キーワード:認知神経科学,心理物理学,脳機能イメージング
   ……………………自然科学研究機構生理学研究所 北田  亮
2.(11:20〜11:50)研究発表「化粧品における触感研究と触動作センシング技術の開発」
 キーワード:感性,触感,触動作,センシング,化粧品
   ……………………株式会社資生堂 新成長領域研究開発センター 川副 智行
(11:50〜12:35)昼食
3.(12:35〜13:55)基調講演「つるつる/すべすべ/さらさらの違いとは? 心地よい触感とは?
  −触感センサと心理物理実験に基づく触感の定量化−」
 キーワード:触感,触感センサ,因子分析,心地よさ,心理物理実験
   ……………………慶応義塾大学 前野 隆司
4.(13:55〜15:15)基調講演「布のさわり心地に関する情報科学的アプローチ」
 キーワード:触感覚,触感ディスプレイ,触感センサ,脳機能計測、触感アンドロイド    
   …………………………甲南大学 才脇 直樹
5.(15:15〜15:45)研究解説「布の風合い研究50年の歴史と課題ならびに快適性の主要因としての肌触り」
 キーワード:風合い,多様な風合い研究手法,感性と風合い,快適性と風合い
   ……………………元東洋紡技監 原田 隆司
(15:45〜15:55)休憩
6.(15:55〜16:45)総合討論
  (16:45〜17:00)閉会のあいさつ・名刺交換会


第45回シンポジウム 2013.4.26に開催

 快適性を考えるシンポジウムの開催は45回目を迎えます.今回は,「健やか・爽やかなエイジングと衣服」をテーマとして取り上げます.ヒトは加齢 とともに,体温調節機能,皮膚機能,および運動機能が低下します.しかし,加齢に対する適切な準備をすれば,これらの低下現象を和らげることができます. その低下現象緩和に、衣服などの繊維製品は何ができるかを考えるシンポジウムを企画しました。
基調講演1では、生物医学研究所の青木皐先生が、皮膚常在菌の観点から、健康な皮膚を保持するための身体の仕組みを解説します。基調講演2では、立命館大 学田畑泉先生が、アンチエイジングのための身体活動および運動について解説し、具体的なエクササイズを解説します。基調講演3では、東京都健康長寿医療セ ンター研究所の高橋龍太郎先生が、加齢を積極的に受け入れ、健やかで爽やかなエイジングについて心身両面から解説します。研究発表1では、大妻女子大学の 宇梶百恵先生が、健やかで爽やかな皮膚を保つことを目標として開発された弱酸性ポリエステルを紹介します。研究発表2では、ワコールの仙波孝之氏が、運動 機能を補完するアンチエイジングウェアの紹介をします。
 皮膚機能、運動機能、体温調節機能の加齢現象を、アンチエイジングの切り口からその対応を捉えるとともに、加齢現象に対する衣服の果たす役割を考えるシ ンポジウムを企画しました。総合討論では,これらの基調講演,研究発表を基に,健やかで爽やかなアンチエイジングのための効果的な衣服の在り方について考 えます.多数の皆様のご参加をお待ちしています.

[日  時] 2013年4月26日(金)9:50〜17:00<終了しました>
[会  場] キャンパスプラザ京都 第1講義室(5階)
     〒600-8216 京都市下京区西洞院通塩小路下ル(JR京都駅ビル駐車場西側,ビックカメラ前)
[定  員] 80名
[参加費] 会員(学校・公官庁):7,000円,会員(団体・企業):10,000円,非会員:13,000円,学生:1,000円 

[内  容]
(09:50〜10:00) 開会のあいさつ
1.(10:00〜11:20) 基調講演「菌と健康」
    キーワード:人体常在菌、皮膚常在菌、腸内常在菌、育菌
    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・生物医学研究所 青木皐
2.(11:20〜11:45) 研究発表「弱酸性ポリエステルが肌に与える影響」
    キーワード:皮膚のpH,抗菌性、弱酸性ポリエステル、ポリ乳酸
    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・大妻女子大学 宇梶百恵
3.(11:45〜12:10) 研究発表「ワコールにおける人間科学的ものづくり」
    キーワード:下着、エイジング、加齢、体型変化               
    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ワコール 仙波孝之
(12:10〜13:00)   <昼食>
4.(13:00〜14:20) 基調講演「生活習慣病発症予防のための身体活動・運動 〜エクササイズガイド〜」
    キーワード:生活習慣病、生活活動、エクササイズガイド2006、高強度運動
    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・立命館大学 田畑 泉
(14:20〜14:30)   <休憩>
5.(14:30〜15:50) 基調講演「老いて失うもの、得るもの 〜アンチエイジングの一考察〜」
    キーワード:エイジング、冗長性、代償、生活機能
    ・・・・・・・・・・・・・東京都健康長寿医療センター研究所 高橋龍太郎
(15:50〜15:55)  <休憩>
6.(15:55〜16:45)総合討論
(16:45〜17:00)閉会のあいさつ・名刺交換会


第46回シンポジウム 2013.10.25に開催

 第46回快適性を考えるシンポジウムは,「着衣の温熱的快適性にかかわるモデリング」をテーマとして開催しました。ヒトの生理反応や快適性の計測 は、生体を対象とするため、個人差や個体内変動など、その測定値のばらつきや被験者の選定などに困難さが伴います。ヒトの温熱的快適性に影響を及ぼす人体 周囲の熱的環境は着衣によって複雑で不均一になり、その過渡的で不均一な環境を計測することは容易ではありません。そこで、人体―着衣―環境間の熱と水分 移動をモデル化し、着衣の温熱的な快適性を推定する方法が研究されてきました。本シンポジウムは、そのような温熱快適性とモデリングについての研究の経緯 についてやさしく解説していただき、さらには現在抱えているモデリングの諸課題についても明らかにしようと、企画しました。
 温熱感覚や快適感などのヒューマンファクタと、着衣さらに建築構造物を含めた環境との関係といった温熱的環境のシミュレーションについて、また、境界条 件としての人体、衣服、布衣服素材の各種物性とモデリングの関係、着衣の温熱的快適性を推定する方法などについて知見を深める機会にしたいと考えて企画し ました。
 基調講演として、空調を含めた建築と衣服の温熱的快適性のモデリングについての第一人者である早稲田大学創造理工学部建築学科の田辺新一先生からご講演 いただきました。そのほかに若手や企業の研究者からもモデリングについての研究発表をして頂きました。ご講演と研究発表のあとで、総合討論を行いました。

〔日  時〕 2013年10月25日(金)9:50〜17:00<終了しました>
〔会  場〕 キャンパスプラザ京都 第1講義室(5階)
     〒600-8216 京都市下京区西洞院通塩小路下ル(JR京都駅ビル駐車場西側,ビックカメラ前)
〔内  容〕
(9:50〜10:00) 開会のあいさつ
1.(10:00〜11:30) 基調講演「人体の熱的快適性を予測するモデル−これまでとこれから」
要旨:体温調節モデルがどのように発展してきたのか基礎理論を含めて平易に解説を行う。数値流体解析(CFD)との連成や新しい取り組みに関して講演者の研究に関して紹介を行う。温冷感や快適性の評価に関する動向や今後さらに研究が必要とされる項目に関しても述べる。
   …………………………早稲田大学 田辺 新一

2.(11:30〜12:10) 研究発表「着衣における熱・空気・湿気の移動を考慮した体温と温冷感の予測」
  キーワード:熱水分移動、換気、温熱生理、温冷感、予測
   ………………………………神戸大学 高田 暁
(12:10〜13:20)  <昼食>
3.(13:20〜14:00)研究発表「着衣と気流が人体の熱収支と体感温に及ぼす影響」
  キーワード:温冷感、熱平衡、着衣、気流、熱的快適性
   ……………………………信州大学 佐古井智紀

4.(14:00〜14:40)研究発表「着衣のぬれと日射を考慮した人体生理量予測モデルによる暑熱環境の評価」
  キーワード:暑熱環境、熱中症、平均皮膚温、発汗量、日射量
   ………………釧路工業高等専門学校 繻エ浩平

5.(14:40〜15:20)研究発表「人体熱モデルの開発とその応用例」
キーワード:快適性、温冷感、動静脈吻合血管、数値計算
   ………………大阪ガス(株) エネルギー技術研究所 竹森 利和
(15:20〜15:35)  <休憩>
6.(15:35〜16:35)総合討論
(16:35〜17:00)閉会のあいさつ・名刺交換会

[定  員] 80名
〔参加費〕会員(学校・官公庁)7,000円,会員(団体・企業)10,000円,学生1,000円,非会員13,000円


第47回シンポジウム 2014.4.25に開催


 第47回の快適性を考えるシンポジウムは、「ミドルエイジの健康に着目したスポーツウエア」をテーマとして取り上げました。快適性・健康研究委員会で は、スポーツウエアをテーマとして、過去3回のシンポジウムを開催し、オリンピックを契機として開発される、トップアスリートのためのスポーツウエアの機 能について学んできました。
 また、高齢社会を迎え、生涯スポーツが推奨されています。特に、近年では、運動負荷が高すぎないことから、中高年にハイキング登山が人気です。しかし、 夏のハイキング登山でありながら死亡事故が複数件発生するなど、登山時の環境生理学や適切なウエアの選択方法などに関する知見は、もはや一部の専門家だけ が理解していればよいとはいえません。
 そこで、最先端の高機能スポーツウエアについて知るだけでなく、生理学の視点を加えて解釈することにより、適切なスポーツウエアのあり方、トレーニングの方法やライフスタイルについて理解することができると考え、今回のシンポジウムを開催することとしました。
 今回の基調講演には、大阪国際大学の井上芳光先生をお迎えし、「老若男女の発汗能力」というテーマでお話しを伺いました。また、研究発表として、ミズノ アウトドアスクール校長である、大蔵喜福先生から、登山経験に基づくウエアの選択方法について、お話していただきました。その他、企業・大学併せて4件の 研究発表がありました。

〔日  時〕 2014年4月25日(金)10:00〜17:00<終了しました>
〔会  場〕 キャンパスプラザ京都 第一講義室(5階)
     〒600-8216 京都市下京区西洞院通塩小路下ル(JR京都駅ビル駐車場西側,ビックカメラ前) 
〔内  容〕 
(10:05〜11:35) 1. 基調講演1 「老若男女の発汗能力」
   キーワード: 汗腺機能,発育・老化過程,性差,運動トレーニング,民族差
   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 大阪国際大学 井上 芳光
(11:35〜12:20) 2. 研究発表1 「低温・低圧環境におけるヒトの生理・心理反応」
   キーワード: 低温,低圧,低酸素,体温,皮膚温,温冷感
     ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 京都教育大学 深沢太香子
(12:20〜13:15)  <昼休憩>
(13:15〜14:00) 3. 研究発表2 「登山とウエア装備について」
  キーワード:(1)天然素材とケミカル素材それぞれの優位性 (2)実際の遭難時における事例(真冬の激流に落ちる)槍ヶ岳 (3)実際の遭難時における事例(雪中彷徨20キロ)谷川岳 (4)ウエアの素材を生かす登山術
   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ミズノアウトドアスクール校長,登山家 大蔵 喜福
(14:00〜14:45) 4. 研究発表3「環境変化と起立耐性」
   キーワード: 熱失神,体温,皮膚血流,脳血流,コンプレッションウエア
   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 奈良女子大学 芝ア 学
(14:45〜15:30) 5. 研究発表4 「伸張発熱RスパイエルRの開発」
   キーワード:伸張発熱、ポリウレタン弾性繊維、生地伸張
   ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 旭化成せんい (株) 研究開発センター 小原 和幸
(15:30〜15:45)  <休 憩>
(15:45〜16:45) 6.総合討論
(16:45〜17:00) 7.名刺交換会
〔定  員〕 80名
〔参 加 費〕 会員(学校):9,000円、会員(企業・団体・公官庁):13,000円、非会員(学校):13,000円、非会員(企業・団体・公官庁):17,000円、学生:3,000円 (いずれもテキスト含む)<参加料金が改定されました>


第48回シンポジウム 2014.10.31に開催


 2005年に「快適性を理解するためのQ&A〜はじめの16話」を、さらに「はじめの16話」で出された質問に焦点をあて、2010年に「快適性を理解するつぎの16話」を学会誌に連載し、「快適性を考えるシンポジウム」でも取り上げてきました。
 今回、快適性研究を進めていく上で不可欠な“計測“に着目し、「ヒトをはかる16話」を学会誌にシリーズ掲載し、さらに、第48回快適性を考えるシンポジウムでも取り上げることにしました。
 快適性に関する計測には、材料計測、環境計測、主観値の計測、生理計測がありますが、今回の16話は、生理計測を主体とした「ヒトをはかる」ことに主眼を置いたQ&Aにしました。
 最初に、快適性・健康研究委員会の委員が16話の概要を紹介しました。次に、ポスタ−発表を委員が担当し、参加された方々からの質問に対して委員が直接 お答えしました。また、同じ会場で、関連した計測機器(発汗計、血流計、脳波計など)の展示・デモを行いました。そして本会の特徴である総合討論により疑 問点を払拭していただきました。
 今回のシンポジウムは、いつもご参加いただいている皆様方と快適性・健康研究委員会の委員が身近に交流を深める機会になればと願っていますので、総合討論に引き続いてワンコイン懇親会も企画しました。
 ヒトを対象とした実験は、個人差が大きい、再現性に乏しい、と悩まれている方々が多いと思います。しかし、目的に合った計測法の選定、高精度の測定デー タを得るための条件設定、データの意味を正しく理解することで問題が解決できるケースが多々あります。快適性研究を進められている中で疑問をお持ちの方、 これから快適性研究をしようとされている方々に向けたシンポジウムとなりました。

〔日時〕2014年10月31日(金)  10:00〜17:00 <終了しました>(10/18で定員が埋まりました)
〔会場〕京都教育大学(京都市伏見区深草藤森町1番地)JR奈良線 藤森駅より徒歩5分(京都駅より15分で会場に着きます)
〔内容〕
1.挨拶・概要説明(10:00〜10:10)

2.「ヒトをはかる16話」講演−1 快適性・健康研究委員会各委員より(10:10〜12:10)
(1)身体をはかる @身体のサイズをはかる……嶋根 歌子(和洋女子大学)
(2)身体をはかる A身体の組織をはかる………嶋根 歌子(和洋女子大学)
(3)身体をはかる B皮膚への圧力をはかる……井上 真理(神戸大学)
(4)皮膚をはかる @皮膚の温度をはかる………薩本 弥生(横浜国立大学)
(5)皮膚をはかる A皮膚の表面をはかる………成瀬 正春(金城学院大学)
(6)皮膚をはかる B皮膚刺激をはかる…………成瀬 正春(金城学院大学)
(7)汗をはかる @発汗と衣服内湿度をはかる…潮田ひとみ(兵庫教育大学)/中島利誠(お茶の水女子大)
(8)汗をはかる Aぬれ率をはかる………………深沢太香子(京都教育大学)
(9)運動機能をはかる C深部体温をはかる……深沢太香子(京都教育大学)
(10)運動機能をはかる @代謝量をはかる…… 鷹股  亮(奈良女子大学)
(11)運動機能をはかる A酸素摂取量をはかる…鷹股  亮(奈良女子大学)
(12)身体のなかをはかる A循環機能をはかる…鷹股  亮(奈良女子大学)

  (昼 食  12:10〜13:10)

3.「ヒトをはかる16話」講演-2 快適性・健康研究委員会各委員より(13:10〜13:50)
(13)運動機能をはかる B筋量・筋電をはかる…堀川 直幹(帝人フロンティア(株))代 潮田ひとみ
(14)身体のなかをはかる @皮膚血流をはかる…平田 耕造(神戸女子大学)
(15)心をはかる @心拍をはかる…………………小柴 朋子(文化学園大学) 代 石丸園子
(16)心をはかる A脳波・脳血流をはかる………石丸 園子(東洋紡(株))

  (休 憩  13:50〜14:05)

4.「ヒトをはかる16話」ポスタ−発表 & 計測機器展示(14:05〜15:30)
   講演内容に関する質疑応答(快適性・健康研究委員担当)& 計測機器展示とデモ(発汗計、血流計、脳波計、心電計、筋電計など交渉中)

  (休 憩  15:30〜15:40)

5.総合討論(15:40〜16:10)
   参加者と委員による個々の質疑(ポスタ−発表)を経て、総合討論では疑問点を全体の問題として取り上げる.

 (休 憩  16:10〜16:20)

6.ワンコイン懇親会(16:20〜17:30) 
今回は、参加者と委員との交流を深めるために1時間強のワイン&ソフトドリンクと軽食のワンコイン懇親会を企画(事前申込み、500円当日払い)皆様のご参加をお待ちしています.

〔定  員〕 80名
〔参 加 費〕 会員(学校):9,000円、会員(企業・団体・公官庁):13,000円、非会員(学校):13,000円、非会員(企業・団体・公官庁):17,000円、学生:3,000円 (いずれもテキスト含む)


第49回シンポジウム 2015.4.24に開催

 女性と男性は、形態的な違いがあるだけでなく、生理機能にも大きな違いがあることが、近年明らかになってきています。例えば女性には冷えや浮腫に悩む人が多いと言われています。
 男性と女性の生理機能の最も大きな違いは、女性には、多くの生理機能に周期性があることです。体温の変動は、良く知られていますが、それ以外に循環系、 体液調節系、そして気分の変化にも性周期がみられます。周期に伴い、月経前症候群としてさまざまな症状が現れたりすることもあります。
 また、女性は、男性に比べてライフステージによる生理機能の変化が大きいのが特徴です。閉経にともない、更年期障害が顕著に現れます。これは、エストロゲンの急激な減少と関連していると考えられますが、さまざまな症状が現れます。
 衣服は、女性の健康や快適性の改善に役立つことができる可能性があります。そのためには、生体機能の性差や女性ホルモンの生体への影響について生理学的 に理解することが必要となります。そこで、女性の健康や快適性に寄与することのできる衣服の開発につなげることができたら良いのではないかと考え,女性の 健康/快適性に関するシンポジウムを企画しました。

〔日 時〕2015年4月24日(金)10:00〜17:00 <終了しました>
〔会 場〕キャンパスプラザ京都 第1講義室(5階)
  〒600-8216 京都市下京区西洞院通塩小路下ル(JR京都駅ビル駐車場西側,ビックカメラ前)
〔内 容〕
(10:00〜10:10) 開会挨拶
(10:10〜11:40) 1.基調講演「女性医学からみた体温調節」
 キーワード:女性の体温調節、基礎体温、冷え、更年期障害、妊娠
 ……………大阪電気通信大学 細野 剛良
(11:40〜12:20) 2.研究発表「女性の健康に関する大規模データ解析」
 キーワード:基礎体温、血圧、体重、活動量、睡眠
 ……………………オムロン(株) 齋藤 真由美
(12:20〜13:30) 昼食
(13:30〜14:15)3.研究発表「女性の冷え症〜ヒトと動物の基礎研究からの視点〜」
 キーワード:女性ホルモン、更年期、寒冷環境、冷え症
 ………………………高知大学 内田 有希
(14:15〜14:25) 休憩
(14:25〜15:10) 4.研究発表「骨格筋血流調節の性差:男女で異なる調節機構」
 キーワード:内皮機能、血管拡張、血圧上昇、組織酸素飽和度
 …………………………奈良女子大学 鷹股 亮
(15:10〜15:50) 5.研究発表「女性用衛生用品の開発」   
 キーワード:吸収性物品、不織布製品、おりものシート、汗取りパット、装着快適性 
 …………………………小林製薬(株) 小迫 裕介
(15:50〜16:00) 休憩
(16:00〜16:45) 6.総合討論
(16:45〜17:00) 名刺交換,閉会挨拶

〔定   員〕 80名
〔参 加 費〕 会員(学校):9,000円、会員(企業・団体・公官庁):13,000円、非会員(学校):13,000円、
非会員(企業・団体・公官庁):17,000円、学生:3,000円 (いずれもテキスト含む)


第50回シンポジウム 2015.10.30に開催

 1986年10月に「快適性を考えるシンポジウム」をスタートしました。本シンポジウムは、「快適性・健康」研究委員会が企画していますが、 世の中の健康に対する意識は非常に高くなっており、その動きに合わせて、今回、50回目を迎えるシンポジウムを記念して、「快適性・健康を考えるシンポジ ウム」に名称を変更いたします。これを機会に、健康のウェイトをより高くしたシンポジウムにしていきたいと思います。
 現在、健康寿命、アンチエイジング、ヘルスケア、サプリメント、ロコモ、メンタルヘルス、生活習慣病、という言葉が頻繁に聞かれるようになっています。 WHO憲章では、「健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあ る」とされています。心身ともに健康であるためにはどうあるべきか、その解に近づくためにはヒトを知ることが重要だと考えます。
 そこで,今回、自治医科大学公衆衛生部門の中村好一教授、信州大学大学院医学系研究科スポーツ医科学講座の能勢博教授、京都府立医科大学の本橋豊特任教授をお迎えし、医学の視点から健康科学についてご講演をお願いしました。
 中村先生からは、人間集団を対象に健康に関わる要因を明らかにする学問である疫学研究について紹介していただき、「健康」をデータに基づいて科学的に扱うことの重要性をお話していただきました。
 能勢先生は、「インターバル速歩」という独自の運動トレーニング手法を提案されており、ご自身の登山経験も織り交ぜながらお話をしていただきました。「インターバル速歩」は、健康にも美容にもよいトレーニング手法です。
 本橋先生からは、生体リズムの視点から健康を捉えたご研究を紹介していただき、「メンタルヘルス(心の健康)」との関連をお話していただきました。
 心と体の両面から健康に関する研究の現状を幅広く理解し、今後の課題が見えてくる会になったと思っています。さらには、企業のみなさまには、健康を維持・増進していくためにどのような商品を開発すればいいのか、そのヒントを得ることができる機会になったと思っています。

〔日  時〕 2015年10月30日(金)10:00〜17:00 <終了しました>
〔会  場〕 キャンパスプラザ京都
〔内  容〕 
(10:00〜10:15)開会のあいさつ
(10:15〜11:45)1.講演「疫学:人間を対象とした最強の学問」
  キーワード:疫学、根拠に基づく医療(EBM)、交絡因子,曝露、帰結
   …………………………………………自治医科大学公衆衛生部門 中村 好一
(11:45〜12:45)  <昼休憩>
(12:45〜14:15)2.講演「歩き方を変える」だけで10歳若返る!−生活習慣病・介護予防のための新しい運動処方システム−
  キーワード:中高年者、インターバル速歩、携帯型カロリー計、遠隔型個別運動処方システム、ビッグデータ
  ………………………信州大学大学院医学系研究科スポーツ医科学講座 能勢 博
(14:20〜15:50)3.講演「生体リズムとメンタルヘルス―健康をどう捉えるか」
  キーワード:生体リズム、メンタルヘルス、ヘルスプロモーション、睡眠リズム、過重労働
  …………………………………………………………京都府立医科大学 本橋 豊
(15:50〜16:00) <休 憩>
(16:00〜16:45)4.総合討論
(16:45〜17:00)5.名刺交換会
〔定   員〕 80名
〔参 加 費〕 会員(学校):9,000円、会員(企業・団体・官公庁):13,000円、非会員(学校):13,000円、非会員(企業・団体・公官庁):17,000円、学生:3,000円 (いずれもテキスト含む)


第51回シンポジウム 2016.4.22に開催

 健康な生活を維持するために運動と睡眠の確保は重要です。私たちは、一日のリズムであるサーカディアンリズムのもとで、様々な生体機能に支えられて、昼間の活発な活動と夜の健やかな眠りを行っています。 
 健やかな眠りができてこそ、健康な日常生活ができることが知られています。それだけではなく、アスリートの運動パフォーマンスにも睡眠の質が影響すると言われています。
 一方では、健康で快適な睡眠を確保するためには、寝室環境や寝具等の睡眠環境の構築が必要となります。現在、睡眠時の生体計測システムを用いた睡眠段階 の推定、心拍変動や体動から睡眠の質の判断ができるようになってきましたが、自分に合った寝具や枕はどう選んだらよいのでしょうか。床ずれ予防や寝姿勢を 考慮したマットレスや枕等の寝具開発の評価はどのように行われているのでしょうか。
 そこで、今回は、心身の健康づくりのために、運動と睡眠はどうあるべきかを考えます。
 基調講演の講師としてお二方の先生にお願いしています。睡眠の側から、順天堂大学大学院医学研究科公衆衛生学講座教授・日本睡眠学会認定医で、睡眠予防 医学をご専門とし、睡眠呼吸障害がもたらす交通事故などの社会問題に警鐘を鳴らし続けていらっしゃる谷川武先生に、睡眠と健康についてお話しいただきまし た。運動の側からは、日本陸上競技連盟の科学委員長を務められ、アスリートのコンディションを科学的にサポートする研究と実践を続けられていらっしゃる三 重大学教育学部保健体育科教授杉田正明先生に、睡眠が運動パフォーマンスに及ぼす効果についてお話をいただきました。
 研究発表として、睡眠環境学の視点から足利工業大学工学部創生工学科准教授荒川一成先生に快適に眠るための寝具についてお話しいただきました。スポーツ 科学の視点から神奈川大学人間科学部人間科学科塩田耕平先生に運動が夜間睡眠に及ぼす影響についてお話しいただきました。さらに寝具関連の企業から、製品 企画・開発事例をご紹介いただきました。
 運動と睡眠の両面から、健康と快適性に関する研究の現状を理解し、今後の課題が見えてくる会にしたいと思います。さらには、企業の皆様には、健康を維 持・増進していくためにどのような商品を開発すればいいのか、そのヒントを得ることが出来る機会になるよう企画いたしました。

〔日 時〕2016年4月22日(金)10:00〜17:10<終了しました>
〔場 所〕キャンパスプラザ京都(予定)
  〒600-8216 京都市下京区西洞院通塩小路下ル(JR京都駅ビル駐車場西側、ビックカメラ前)
〔内  容〕  
(10:00〜10:10)開会挨拶
(10:10〜11:40) 1.基調講演「睡眠と健康」
  キーワード: 睡眠呼吸障害、疫学、生活習慣病、事故、睡眠不足
   ……………… 順天堂大学大学院医学研究科公衆衛生学講座教授 谷川 武
(11:40〜12:40)  <昼休憩>
(12:40〜14:00) 2.基調講演「トップアスリートのコンディショニング最前線〜睡眠と運動パフォーマンス〜」
     キーワード:オリンピック、コンディショニング、睡眠、自律神経活動、時差調整
  ………………… 三重大学教育学部保健体育科教授  杉田 正明
(14:00〜14:40) 3.研究発表「一過性の運動と睡眠の関係性について」
  キーワード:睡眠ポリグラフ、深部体温、心拍変動、運動パフォーマンス、睡眠時間
  ………………… 神奈川大学人間科学部人間科学科 塩田 耕平
(14:40〜14:50) <休 憩>
(14:50〜15:30) 4.研究発表「寝心地を考慮した寝具寝装品の開発と研究」
  キーワード:マットレス、枕、体圧分布、沈み込み、温熱
  ………………… 足利工業大学工学部創生工学科 荒川 一成
(15:30〜16:00) 5.研究発表「睡眠時の寝床内環境と寝具の役割」
  キーワード:睡眠、寝床内気象、深部体温、皮膚温、寝返り(体動)
  ………………… 西川産業(株)日本睡眠科学研究所 中村 勤
(16:00〜16:10) <休 憩>
(16:10〜16:55) 総合討論
(16:55〜17:10) 名刺交換会
〔定   員〕 80名
〔参 加 費〕 会員(学校):9,000円、会員(企業・団体・官公庁):13,000円、非会員(学校):13,000円、非会員(企業・団体・公官庁):17,000円、学生:3,000円 (いずれもテキスト含む)


第52回シンポジウム 2016.9.9に開催

 1986年に第1回「快適性を考えるシンポジウム」を開催し、今年で30周年を迎えました。本シンポジウムは第50回から、「快適性・健康研究委員会」の原点に立ち返り、「快適性・健康を考えるシンポジウム」に名称を変更しました。
 30 周年を迎え、時代と共に生活環境が変化する過程で、人々がどのように快適性と健康を勝ち取ってきたのか、あるいは、失ってきたのかを改めて考えてみたいと 思います。その過程で、快適性と健康について衣服・寝具などの繊維製品を研究するとはどういうことなのか、なぜ快適性・健康研究が必要なのか、改めて考え てみたいと思います。
 午後は、快適性・健康に関する研究が時代と共にどのように変遷してきたのか、また、それを受け近未来にどのような発展の可能性があるのか、「快適性・健 康研究委員会」の委員5名が整理しショートスピーチをします。その後、参加された方々から委員が個別に質問を受け、意見交換をさせていただきます。同時 に、企業から関連する開発商品のポスター展示・計測機器展示も予定しています。快適性・健康の研究が繊維製品および繊維周辺製品の開発にどのように活用で きるのか考えていただく一助になればと思っています。   
 さまざまな分野・業界において、快適性・健康をキーワードに商品開発を進められている方々、快適性・健康研究において何がわかって何がわかっていないのか整理したいと思っておられる方々のご参加を心よりお待ちしております。

〔日  時〕 2016年9月9日(金)10:00−17:00<終了しました>
〔会  場〕 京都女子大学
〔内  容〕
(10:00〜10:20) 1.「快適性・健康を考えるシンポジウム30年間の振り返り」……東洋紡(株) 石丸  園子
(10:20〜11:20) 2.基調講演 「生活環境の快適性と健康―人類進化の視点より」……九州大学名誉教授 栃原 裕
 700万年前にアフリカに誕生した人類は、過酷な自然環境を科学技術の力で克服し、徐々に生存範囲を拡大し、さらにはより快適な環境をつくり出すまでと なっている。しかしながら、人工環境がさまざまな負の効果をもたらしていることも否定できない。温熱環境の快適性と健康影響について生理人類学的観点から 紹介する。
(11:20〜12:20) 3.基調講演 「快適性・健康に寄与する繊維製品の開発」……文化学園大学 名誉教授 田村照子
 近年ロボット開発の分野でも、人間にとって快適とは何か、その本質が問われ、成果の一つである繊維製品の肌触りのよさが介護領域に応用され始めていま す。また近年の技術革新はウェアラブルファッションの可能性を広げ、繊維製品の新たな地平線を照らし出しています。ここに繊維製品開発のヒントがありそう です
(12:20〜13:10)  <昼食> 
(13:10〜14:25) 4.「快適性・健康」研究の過去・現在・未来 −感覚の計測・評価−
  (1) ショートスピーチ
    (13:10〜13:25) 1) 温熱生理   …………京都教育大学  深沢太香子
    (13:25〜13:40) 2) 熱・水分特性 …………横浜国立大学  薩本弥生
    (13:40〜13:55) 3) 衣服圧 …………文化学園大学 小柴朋子
    (13:55〜14:10) 4) 肌触り …………神戸大学  井上真理
    (14:10〜14:25) 5) 心理生理 …………東洋紡(株)  石丸園子
(14:25〜14:30) <ポスター、機器・製品展示会場に移動> 
(14:30〜16:10)  (2) 個別フリーディスカッション
     ショートスピーチに対する個別の質疑応答&企業の製品・機器展示
(16:10〜16:15)   <会場移動>
(16:15〜16:50) 5.総合討論−過去・現在を踏まえた近未来の快適性・健康研究− 
(16:50〜17:00) 6.名刺交換 
〔定 員〕 80名
〔参加費〕会員(学校)9,000円、会員(企業・団体・官公庁)13,000円、非会員(学校)13,000円、非会員(企業・団体・官公庁)17,000円、学生 3,000円


第53回シンポジウム 2017.4.14に開催

 第53回のシンポジウムでは、「触覚 触感 ハプティクス」をテーマといたします。
 脳科学の進歩が目覚ましく、ハプティクス(触覚技術 haptic technologyとも呼ばれ、力、振動、動きなどを与えることで皮膚感覚もしくは触感フィードバックを得るテクノロジー)研究やロボティクス技術の研 究が多くなされるようになり、触覚知覚メカニズムや触感の定量化が行われるようになっています。
 基調講演として、触覚と知覚に関する内容及び皮膚の基本的な構造と役割について、お二人の先生からお話をうかがいます。宮岡先生には、皮膚刺激に対する 感覚・認知のメカニズム、表面粗さに対する皮膚感覚の弁別閾などについてお話しいたただきます。傳田様には皮膚の基本的な構造と役割、医療や美容からのア プローチとは異なる皮膚科学の視点から、現在の時点で明らかになっている皮膚のメカニズムについて詳しく教えていただきます。また研究発表として、佐久間 先生からは、やわさ、やわらかさの計測、製品化に触覚・触感研究がどのように利用されているのかという具体的なお話をうかがう予定です。福井様には、自動 車内装材の表面質感・触感について、森田様には、クッション型コミュニケーションメディア「ぎゅっとコミュニケーション“ハグビー”」について紹介してい ただく予定です。
 ハプティクス研究・ロボティクス技術の研究の基礎と応用を学び、今後の発展につなぐヒントを得る機会となればと考えております。

〔日  時〕 2017年4月14日(金)10:00〜17:00<終了しました>
〔会  場〕 日本女子大学新泉山館1階大会議室
〔内  容〕 
開会の挨拶(10:00〜10:05) 
1.(10:05〜11:35)基調講演 触認識メカニズム:皮膚機械受容器から触感まで
キーワード: 触覚,微小神経電図法,皮膚機械受容器,テクスチャー知覚,錯触
  …………………………………………静岡理工科大学教授 宮岡 徹
2.(11:35〜12:15)研究発表 自動車に求められる触感とその開発について
  キーワード:感性工学、評価軸、革、ステアリング、機能性
   …………………………………………マツダ株式会社 福井 信行
(12:15〜13:05)   昼    食
3.(13:05〜13:35) 研究発表 クッション型コミュニケーションメディアとの接触によるヒトへの効果およびさらなる触感向上を目指した取り組み
  キーワード:通信メディア、ストレス軽減、コルチゾール、KES風合い試験、主観評価
   …………………………………………株式会社京都西川 森田 貴美子
4.(13:35〜14:15)研究発表 柔軟素材の変形特性についての球圧子押込試験による客観評価
  キーワード: やわらかさ、触感、構成式、押込試験法、接触理論
   …………………………………………京都工芸繊維大学教授 佐久間 淳 
 (14:15〜14:25)  休憩
5.(14:25〜15:55)基調講演 高機能情報処理システムとしての表皮
  キーワード:ケラチノサイト、受容体、カルシウムイオン、情報伝達物質、末梢神経
   …………………………………………株式会社資生堂 傳田 光洋
 (15:55〜16:05)   休  憩  
6.(16:05〜16:50)総合討論
(16:50〜17:00)閉会のあいさつ・名刺交換会
〔定  員〕 80名
〔参 加 費〕 会員(学校):9,000円,会員(企業・団体・官公庁):13,000円,非会員(学校):13,000円,非会員(企業・団体・官公庁):17,000円,学生:3,000円 


第54回シンポジウム 2017.9.1に開催

 第54回のシンポジウムでは、「衣服が皮膚に与える功罪」をテーマといたしました。
 基調講演として、矢上晶子先生に皮膚生理の基礎を含めた皮膚障害の発症機序についてお話をお伺いしました。佐々木和実先生には、皮膚障害を引き起こす衣 服中の化学物質の探索方法について事例を挙げてご紹介いただきました。五十嵐亮介先生には、衣服による皮膚刺激性や有用性の評価方法を具体的にご講演いた だきました。佐藤真理子先生には、衣服の摩擦による皮膚微細構造の変化を、皮膚レプリカで把握する方法を含めて解説していただきました。栗山健一先生に は、薬学の視点から、スキンケア剤による皮膚の保湿機能改善についてご発表いただきました。木鎮廣先生には、米ぬか美肌インナーの保湿効果発現の仕組み と着用実験による肌への刺激改善についてお話しいただきました。
 今回のシンポジウムでは、衣服が皮膚に与える影響を功罪両面から考究し、皮膚に優しく健康を促進する衣服づくりの発展につなぐヒントを得る機会となればと企画しました。


第55回シンポジウム 2018.4.20に開催

 第55回のシンポジウムでは、「暑熱環境下の熱中症リスクとその対策」をテーマといたします。
 現在、二酸化炭素などの温室効果ガスの増加により地球温暖化が進み、人類にとって様々な不利益が生じています。このままだと将来的にもその不利益が増す ことは想像に難くありません。また、地球規模での温暖化だけでなく、都市部のヒートアイランド現象も相まって、夏季における熱中症のリスクが高まっていま す。特に高齢者・幼児・暑熱順化していない人・持久力のない人・肥満傾向の人は,体温調節機構が機能不全になりやすく、死亡事故につながる危険性がありま す。また、日本の高温多湿の環境下のスポーツや肉体作業時には,熱中症のリスクが高まります。したがって暑熱環境下での熱中症発生のメカニズムを正しく理 解し、被験者の個別の状況に応じて熱中症の予兆となる状態の早期把握と,その予防システムの構築など対策を講じる必要があります。そこで、今回のシンポジ ウムでは暑熱環境下の熱中症リスクと対策に関してその基礎から応用までを学ぶシンポジウムを開催します。
 基調講演として、産業医科大学の堀江先生に体温調節の生理、熱中症の概念、発生機序、疫学、対策などについて全般的にわかりやすくお話しいただきます。 奈良女子大学の芝ア先生には、熱中症に至らずとも暑熱環境下に滞在することによってみられる感覚的な体調の変化を、特に脳血流を含む脳機能の変化から話し ていただき、暑熱環境下における活動時の対策についてお話しいただきます。また、研究発表として、京都工芸繊維大学の山下先生からは夏季スポーツ活動中の 熱中症の予兆となる病的症状等について発表いただきます。また、岡山県立大学の島ア先生からは、暑熱環境時における人の熱負荷に自然環境、建築や被服がお よぼす影響に関して発表いただきます。企業からは旭化成株式会社の吉澤様からクールビズを志向するビジネススーツについて紹介していただく予定です。
 暑熱環境下の熱中症リスクに関して生理的なメカニズムに関する基礎知識を学ぶとともに熱中症やその対策に環境や被服の影響を学び、今後の対策につなぐヒントを得る機会となればと考えております。

〔日  時〕 2018年4月20日(金)10:00〜17:00<終了しました>
〔会  場〕 キャンパスプラザ京都
        〒600-8216 京都市下京区西洞院通塩小路下ル(JR京都駅ビル駐車場西側,ビックカメラ前)
〔内  容〕 
(10:00〜10:05)  開会の挨拶                         
(10:05〜11:35)1.基調講演 「熱中症の病態と予防策」
  …………………………産業医科大学 堀江 正知
  (キーワード:熱中症,核心温,汗,WBGT)
(11:35〜11:40)  (休 憩)
(11:40〜12:20)2.研究発表 「大学生アスリートが感じる夏季スポーツ活動中の病的症状と競技力低下の要因(仮題)」
  …………………………京都工芸繊維大学 山下 直之
  (キーワード:熱中症,生活習慣,練習環境,ロジスティック回帰分析,オッズ比)
(12:20〜13:10)  昼食休憩
(13:10〜14:40)3.基調講演 「暑熱環境による過度な体温上昇時の脳機能」 ………奈良女子大学 芝ア 学
  (キーワード:脳血流調節、認知機能、血圧調節、循環調節、体温調節)
(14:40〜15:20)4.研究発表 「屋外快適性を創る −人と身の回りの素材との関わり−」
  …………………………岡山県立大学 島ア 康弘
  (キーワード:熱物性,日射環境,熱負荷,伝熱解析,被験者実験) 
(15:20〜15:25) 休 憩
(15:25〜15:55)5.研究発表 「暑熱環境下におけるビジネススタイルの温熱快適性に関する一考察」
  ……………………………旭化成株式会社 吉澤 知佐
  (キーワード: COOL BIZ, ビジネススーツ, ズボン, 裏地素材特性, 官能評価, 温熱生理実験, 皮膚温, 深部温, 発汗量)
(15:55〜16:05) 休 憩
(16:05〜16:50)6.総合討論
(16:50〜17:00)  閉会の挨拶・名刺交換会

〔定  員〕 80名
〔参 加 費〕 会 員(学校) 9,000円, 会 員(企業・団体・官公庁)13,000円,非会員(学校)13,000円,非会員(企業・団体・官公庁)17,000円, 学生3,000円


第56回シンポジウム 「寒冷時の体温調節−体温調節メカニズム研究の最先端から−」 2018.9.21に開催

 2018年4月20日に開催されました第55回シンポジウムでは,熱中症予防に繋がる知見を得ることを目的として,暑熱環境下での基礎生理学を学 ぶとともに,研究事例を発表いただきました.第56回シンポジウムでは,前回の続編として,寒冷環境下での体温調節の基礎とその応用を学ぶために,「寒冷 時の体温調節−体温調節メカニズム研究の最先端から−」をテーマとすることとしました.
 基調講演では,寒冷環境下での体温調節機構に関する最先端の研究成果より,お二人の先生から基礎生理学に関するお話をうかがいます.中村和弘先生(名古 屋大学大学院)には,寒さや冷たさを覚える温度感覚と体温調節に直接的に関わる温度感覚情報経路の違いについて解説いただきます.斎藤昌之先生(北海道大 学名誉教授)からは,ヒトの耐寒性や肥満予防に関与する寒冷暴露による褐色脂肪細胞の熱産生について解説いただきます.聴衆の皆様により深く理解してもら うために,基調講演は90分という時間を設定しております.
 研究発表では,環境人間工学的観点から取り組まれた最新の研究成果として,寒冷環境下で身体活動・作業性能の低下が生じるメカニズムについて,若林斉先 生(北海道大学大学院)より,社会的弱者における体温調節の特徴について,三上功生先生(日本大学)より解説いただきます.さらに,高機能繊維を活用した 具体的な研究開発事例として,保温性素材で一躍有名となった吸湿性の高いアクリレート系繊維(N38)を世界で初めて開発した日本エクスラン工業株式会社 (東洋紡のアクリル繊維の製造会社)より,吸湿発熱繊維・エクスランを利用した寒冷地用衣服の快適性に関して,山下修氏に解説いただきます.
 総合討論では,基調講演・研究発表の講師の先生方5名と本委員会委員2名が登壇して,本テーマについて,聴衆参加型のパネルディスカッションを行います.聴衆の皆様にも積極的に意見を述べていただき,会場が一体となって,議論を展開していきます.
  本シンポジウムは,寒冷環境におけるヒトの体温調節の特徴を把握することで,ヒトの健康維持の一助とするとともに,快適な状態を維持する衣服づくりとその 評価に有益な知見・知識が得られる内容・構成となっています.ウェア開発に携わる研究者のみならず,開発者の方々も,ぜひご参加ください.

〔日  時〕 2018年 9月21日(金)10:00〜17:00<終了しました>
〔会  場〕 キャンパスプラザ京都 4階第3講義室
   〒600-8216 京都市下京区西洞院通塩小路下る東塩小路町939
   (JR京都駅ビル駐車場西側,ビックカメラ前)
〔内  容〕
開会の挨拶(10:00〜10:10)
(10:10〜11:40)1.基調講演1「行動性・自律性体温調節の中枢神経メカニズム」
  …………名古屋大学大学院・医学系研究科・統合生理学 中村 和弘
  (キーワード:脳,温度感覚,温熱性快適感,行動,交感神経,褐色脂肪熱産生)

(11:40〜11:45)  (休 憩)
(11:45〜12:15)2.研究発表1「寒冷環境が身体パフォーマンスに及ぼす影響とそのメカニズム」
  …………北海道大学大学院・工学研究院 若林 斉
  (キーワード:骨格筋温度,解糖系代謝,皮膚温,巧緻性)

(12:15〜13:15)   (昼食休憩)

(13:15〜14:45)3.基調講演2「褐色脂肪組織による熱産生と体温・体脂肪調節−健常成人での最新知見−」
  …………北海道大学名誉教授,札幌保健医療大学客員教授 斉藤 昌之
  (キーワード:ヒト,褐色脂肪組織,熱産生,エネルギー消費,体温調節,肥満)

 (14:45〜14:50)  (休 憩)

(14:50〜15:20)4.研究発表2「頸髄損傷者の体温調節障害に関する研究」
  …………日本大学・生産工学部・建築工学科 三上 功生
  (キーワード:脊髄損傷,頸髄損傷,体温調節障害,温熱生理心理反応,至適温度)

(15:20〜15:50)5.研究発表3「吸湿発熱繊維「アクリレート系繊維の冬用衣服への活用」」
  …………日本エクスラン工業株式会社 山下 修
  (キーワード:吸湿発熱,アクリレート系繊維,冬用衣服 )

(15:50〜16:00) (休 憩)
(16:00〜16:50)6.総合討論
(16:50〜17:00)閉会の挨拶・名刺交換会
〔定  員〕 80名
〔参 加 費〕 会 員(学校) 9,000円,会 員(企業・団体・官公庁)13,000円,非会員(学校)13,000円,非会員(企業・団体・官公庁)17,000円,学生3,000円 


第57回シンポジウム 2019.4.19に開催

 第57回のシンポジウムでは、「高齢者の健康 −歩行を中心として−」をテーマといたします。
 超高齢化社会を迎えた日本において、健康寿命を延ばすことが大きな課題になっています。なかでも「歩行」は身体機能、認知機能を高める効果があるとの報告もあり、多くの研究がなされています。
 基調講演として、井口傑先生(慶応大学 元教授)に歩行から見た老いについてお話を伺います。また、岡崎和伸先生(大阪市立大学)には、歩行を中心とし た運動の効果についてお話しいただきます。研究発表では高橋隆宜様(株式会社ノビデック)から、高齢者の3次元歩行解析についてご発表いただき、青木識子 先生(文化学園大学)には高齢女性の歩行特性と靴の履用効果についてご発表いただきます。また、八幡健太郎様(ミズノ株式会社)からは高齢者の靴設計につ いてお話しいただきます。
 今回のシンポジウムでは、高齢者の歩行に関して、その特性や効果についての理解を深め、靴の設計はもちろんのこと、歩行を考慮した靴下、下肢ウエアなどの衣服設計のヒントを得る機会となればと考えております。

〔日  時〕 2019年4月19日(金)10:00〜17:15<終了しました>
〔会  場〕 キャンパスプラザ京都 4階第3講義室
       〒600-8216 京都市下京区西洞院通塩小路下る東塩小路町939
〔内  容〕 
開会の挨拶(10:00〜10:10) 
(10:10〜11:40)1.基調講演1「二足歩行から見た、老いると言うこと」
   ………慶応大学 元教授 井口 傑
 人間とは常時直立二足歩行をする動物です。個体発生は主の発生を繰り返すと言いますが、無重力環境の子宮内から誕生し、重力下の環境で四脚移動を経て、 二足歩行を達成した後、杖歩行から車椅子、寝たきりと、成長とは逆の道をたどり、死に至ります。老いを進化や成長のミラーイメージと捉え、歩行から見た老 いを考えます。
(11:40〜11:45) 休憩
(11:45〜12:15)2.研究発表1「高齢者の3次元歩容解析」
  ………(株)ノビデック 高橋 隆宜
 個人差が大きく、年代によって高齢者の歩容は変化します。それらを数値化する指標には、歩行速度や関節角度、歩幅などが挙げられます。それらを総合的に 解析する方法として3次元動作解析を用いた客観的手法があります。今回はその現状と進化に関して講演させていただきます。
(12:15〜13:15) (昼食休憩)
(13:15〜14:45)3.基調講演2「高齢者における歩行を中心とした健康づくり」 
  ………大阪市立大学 岡崎 和伸
 健康長寿を実現するためには、高齢期はさることながら、生涯を通した活動的で健康的な生活(アクティブヘルスライフ)が重要です。本講演では、歩行を中 心とした日々の身体活動や運動と日常生活活動および居住環境との関連について、また、無理なく取り組め体力向上や生活習慣病の予防・改善効果が実証されて いる運動の効果について概説します。
(14:45〜14:50) 休憩
(14:50〜15:20)4.研究発表2「高齢女性の歩行特性並びに靴の履用効果に関する研究」
  ………文化学園大学 青木 識子
 高齢社会を迎えたわが国では,高齢者の安全で活動的な生活実現のための研究が広く求められています.本研究では,高齢者の歩行特性を明らかにするため, 高齢女性と若年女性を対象に,両群の歩行特性とそれに及ぼす履物の影響について,三次元動作解析と筋電図解析により複合的に検討することを目的とします.
(15:20〜15:50)5.研究発表3「高齢者の靴の設計について」
  ………ミズノ(株) 八幡 健太郎
 超高齢社会の日本では、スポーツを含む活動を通じて健康年齢を高めることが求められています。しかし、膝・腰などの不具合によって、ウォーキングなどの 健康運動をやめてしまう方が多くいることが知られています。今回、歩行中の膝への負担軽減を目的としたシューズ開発を行いましたので、ご紹介いたします。
(15:50〜16:00) 休憩
(16:00〜16:50)6.総合討論
(16:50〜17:15) 閉会の挨拶・名刺交換会
〔定  員〕 80名
〔参 加 費〕 会 員(学校) 9,000円,会 員(企業・団体・官公庁)13,000円,非会員(学校)13,000円,非会員(企業・団体・官公庁)17,000円,学生3,000円 


第58回シンポジウム 2019.9.6〜7 快適性とスマートテキスタイル国際シンポジウム 2019 として開催


第59回シンポジウム 「快適性・健康を製品設計に活かす 〜快適性評価のすべてがここに〜」
 2020.4.24に開催予定でしたが、新型コロナウイルスの感染拡大予防のため中止(延期:開催未定)になりました。

 「快適な商品」と言うことは簡単ですが、「快適さ」を機器で数値化することは容易ではありません。「快適さ」を数値化することができれば、製品設計や目 標値が設定でき、快適性に優れる商品を開発する道筋が見えてきます。ここで被服の快適性は大きく温熱的快適性、運動機能性、風合いに関わるものがあり、そ れぞれ、人間に刺激を与える環境の刺激を数量化し、その刺激を受け取る側の人の反応を数値化することが必要となります。そこで快適性の数値化には、環境・ 被服の刺激の評価のために「熱・水分特性」「圧力特性」「肌触り」の評価が必要となります。一方、人体側の反応の評価指標として心理・生理・行動反応の評 価が必要となります。
 今回のシンポジウムでは、「快適性・健康研究委員会」の委員より、「快適性・健康を製品設計に活かす~快適性評価のすべてがここに~」をテーマに、 「熱・水分特性」「圧力特性」「肌触り」「心理・生理・行動反応」の評価手法について研究事例を交えながら紹介いたします。「快適性」をキーワードに商品 開発を進められている方々の一助になればと思っております。

〔日  時〕 2020年4月24日(金)10:00〜17:00<中止になりました。>
〔会  場〕 キャンパスプラザ京都(予定)
(内容)
(10:00〜10:10)開会の挨拶・概要説明
(10:10〜10:40)1.「着衣の熱水分移動と温熱的快適性」・・・・・横浜国立大学 薩本 弥生
 地球温暖化が問題とされる今、着衣による体温調節補助作用は快適性・健康に関わり重要です。温熱的快適性には着衣の熱水分移動性能が影響します。また、 被服素材だけでなく着衣のデザインが貢献します。そこで、素材要因やデザイン要因に分けて、着衣の温熱的快適性に関して解説したいと思います。
(10:40〜11:10)2.「触り心地と材料特性の関係」・・・・・・神戸大学 井上 真理
 1980年に行われた布の風合い研究に加えて、近年は布以外の物質の触感を含めたテクスチャーの触知覚メカニズム研究も進んでいます。KESによる布の 物理特性の計測・評価方法、主観評価と客観評価結果との対応づけの基礎、織物・編物はじめ不織布の触感評価から人工皮革や樹脂材料への応用について解説し ます。
(11:10〜11:20)休憩
(11:20〜11:50)3.「快適性評価を活用した製品設計事例紹介、衣服圧のシミュレーション」・・・・・旭化成株式会社 出口 潤子
 温熱的快適性の観点から開発した伸縮発熱素材や涼感パンスト、運動機能性を追求した素材など快適性に着眼した商品開発例についてご紹介します。また、シミュレーションを利用した製品開発例についてもご紹介します。
(11:50〜12:20)4.「寝具の快適性、寝姿勢」・・・・・和洋女子大学 嶋根 歌子
 健康で快適な睡眠を得るために、寝具は大きな役割を果たしています。楽な寝姿勢であっても、長時間同じ姿勢を続けていると下になった側にうっ血が生じ、 無意識のうちに寝返り(体動)を打っています。硬さの異なる敷寝具を中心に、寝姿勢と体圧分布や寝心地との関係について紹介します。
(12:20〜13:10)昼食
(13:10〜13:40)5.「温熱的な感覚評価と加齢」・・・・・京都教育大学 深沢 太香子
 年齢を重ねると、温かさや冷たさの温度の感じ方が鈍くなるようです。熱中症予防や冷え予防には、寒さや暑さに応じた衣服の着脱が重要な手立てとなります。そこで、温度の感じ方の年齢による変化について、データを示しながら解説します。
(13:40〜14:10)6.「女性ホルモンの生理作用」・・・・奈良女子大学 鷹股 亮
女性ホルモンには、生殖以外に様々な生理作用があります。体重・摂食調節に及ぼすエストロゲンの作用とそのメカニズムについて、データを示して解説します。
(14:10〜14:40)7.「環境ストレスが体温調節、発汗、皮膚血流量に及ぼす影響」・・・・・奈良女子大学 芝ア 学
 温熱的快適性には皮膚における水分や熱の移動が大きく関係します。熱・水分特性は物理的な評価ですが、快適性は主観的であるため、1対1の単純な関係に はならず、多様な情報から方向性を導く必要があります。今回はこれらの中間で両者を左右するヒトの皮膚における体温調節機能である発汗と皮膚血流調節につ いて解説します。
(14:40〜14:50)休憩
(14:50〜15:20)8.「快適性評価を活用した犬用商品の開発事例紹介」・・・・・・東洋紡株式会社 小松 陽子
 人を対象としてきた快適性を犬に転用し、犬用敷材を開発した事例をご紹介いたします。快適な商品を開発する際の参考となればと思います。
(15:20〜15:50)9.「湿潤感の評価」・・・・・東京家政大学 潮田 ひとみ
 ヒトの皮膚感覚受容器には、蒸れる、濡れるといった水分移動に対応する受容器がないことが知られています。このような湿潤感について現在わかっていることを紹介したいと思います。
(15:50〜16:00)休憩
(16:00〜16:45)総合討論
(16:45〜17:00)名刺交換会
〔定  員〕 80名
〔参 加 費〕 会 員(学校) 9,000円,会 員(企業・団体・官公庁)13,000円,非会員(学校)13,000円,非会員(企業・団体・官公庁)17,000円,学生3,000円


第60回シンポジウム 「with/after コロナ 繊維製品が築く未来」 2020.9.18に開催

 今般の新型コロナウイルス感染拡大に伴い、今後は、感染拡大を防ぐ手立てを講じていくことはもちろんのこと、新型コロナウイルスとの共存を想定した「新しい生活様式」が拡がっていくことが考えられます。
 そのことで、人々の行動が、仕事においても日々の暮らしにおいても大きく変化し、社会的・経済的な面において、これまでとは異なる状況となることが考えられます。
 その中で、感染拡大が懸念され、緊急事態宣言も発せられていた頃まで、どのような取り組みがなされたかを総括するとともに、今後「新しい生活様式」を想 定してどのようにしていこうとの模索がなされているのか、企業の製品にも、新型コロナウイルスへの対応や「新しい生活様式」を前提としてのどのような開 発・応用がなされようとしているのか、日本繊維製品消費科学会において取り上げ、情報交換・議論をし、社会に発信していくことは意義深いことと考えます。
 そこで、今回のシンポジウムはテーマを『with/after コロナ 繊維製品が築く未来』として、with/after コロナで脚光を浴びているマスクをはじめとする繊維製品についてその防護機能性や快適性について学びつつ、コロナ禍での現場の様子や企業の取り組みを共有 する情報交換の場となればと考えて企画いたしました。単に製品を紹介するだけではなく、企業としての社会的役割、限界といったことも視野に入れながら、様 々な立場の方々との議論を通じて、withコロナ、afterコロナの時代に向けて考えを深めていきたいと考えます。「快適性」をキーワードに商品開発を 進められている方々の一助になればと思っております。

〔日  時〕 2020年 9月18日(金) <終了しました>
〔会  場〕 Webinar 方式(Teams会議)
〔内  容〕
(13:00〜13:10)開会の挨拶
第T部<感染症防護機能性と着用者の快適性の両立>
(13:10〜13:40)基調講演1「感染防護用の防護具について」
  ・・・・信州大学繊維学部 特任教授 篠原 克明
 感染防護には病原体に曝露されないことが重要である。病原体の感染経路を遮断するために種々の呼吸保護具や防護服を装着することが有用である。その際に は、防護性能の確保された防護具を適切に選択し、正しく使用することが重要である。本稿では、種々の防護具の選択と素材の防護性能などについて紹介する。

(13:40〜13:55)研究発表1「快適性を追求した高性能ナノファイバーマスクの開発」
  ・・・(株)ナフィアス 代表取締役 渡邊 圭
 マスクの性能を決めるのは主にフィルターの捕集効率と圧力損失、およびマスクの形状(フィット性)であるが、捕集効率を高めるためには、基本的にフィル ターは分厚く圧力損失が高くなり、結果として呼吸がしにくく蒸れやすくなるといった課題があった。今回はナノファイバーをフィルターに用いることで快適性 を高めた高性能マスクに関して紹介する。

(13:55〜14:10)研究発表2「医療用防護服の防護機能性と快適性」 
  ・・・・・高崎健康福祉大学 健康福祉学部 内田 幸子
 医療従事者へのアンケート調査から,医療用防護服着用時の問題点として温熱的負荷が非常に大きいことが挙げられた。防護服着用時の温熱的快適性を評価す るため,被験者実験を実施した。形状やサイズがほぼ等しい市販の防護服5種の着用実験の結果、防護服の温熱的快適性には,素材の物理特性の透湿性・通気性 と防護服裏面の吸水性の差が大きく影響していることが示唆された。

第U部<マスク等の防護具の防護機能性のメカニズム>
(14:20〜14:50)基調講演2「マスク等に用いる防護具素材のフィルター性能についての講演」
  ・・・三井化学(株)ヘルスケア事業本部不織布事業部 市川 太郎
 三井化学は、総合化学メーカーの特徴を生かし、有機合成技術・ポリマー技術・加工技術を組合せた高性能不織布を長年手掛けている。当社の不織布の特徴と、今後の開発動向について、マスク用途等を例示しながらご報告する。

(14:50〜15:05)研究発表3「咳飛沫・飛沫核の挙動とマスクの効果に関して」
  ・・・・・東京都立大学 都市環境学部建築学科 尾方 壮行
 飛沫を含むヒトの咳を模擬する装置を開発し,咳飛沫・飛沫核が感染リスクに及ぼす影響を評価した実験について報告する。また,マスクによる飛沫・飛沫核の飛散防止効果について,先行研究をレビューし,知見を整理する。

(15:05〜15:20)研究発表4「”PIECLEX”の抗菌機能と今後の展開について」
  ・・・・株式会社PIECLEX 取締役副社長 竹下 皇二
 村田製作所と帝人フロンティアの合弁会社である(株)PIECLEXが新しく開発した電気の繊維”PIECLEX” について、その抗菌機能とコロナ禍における商品提案などについて紹介する。
  
第V部<コロナ禍の繊維関連企業の取り組み事例の紹介>
 コロナ禍で大きく変わった日常生活、最初に対応に追われた学校現場や、感染病棟ではなくとも日々の患者の対応が必要な医療現場ではどのように対応し、何 を必要としたのか、新しい社会的要請に対し繊維関連企業がどんな取り組みをしたのか、異業種交流による事例や今後の展開予測や希望・要望等をご紹介いただ く(各々8〜10分)。

(15:30〜16:30)
 事例紹介1 病院関係者
 事例紹介2 奈良女子大学附属中等教育学校(中高一貫校)
 事例紹介3 小林製薬(株) 
 事例紹介4 ユニ・チャーム(株)
 事例紹介5 東洋紡((株)
 事例紹介6 旭化成(株)

(16:40〜17:10)総合討論
(17:10〜17:20)閉会の挨拶

〔参 加 費〕 会 員(学校)5,000円,会 員(企業・団体・官公庁)8,000円,非会員(学校)8,000円,非会員(企業・団体・官公庁)10,000円,学生1,000円


第61回シンポジウム 「−生体リズム調節と健康・快適性(生体リズムの変化が健康に及ぼす影響)−」 2021.4.23に開催

 生体機能は、一定の周期を持ちリズミカルに変化しています。睡眠覚醒にリズムがあり、このリズムを整えることは健康な生活を送る上で重要なことは明らか ですが、体温や内分泌など多くの生体調節系には明確な日内リズムが存在します。これら生体機能のリズミカルな変動は、内因性の要因(身体内の固有のリズ ム)と外因性の要因(環境)により調節・影響されています。また、活動・睡眠のリズムは多くの生体機能に間接的に影響します。
 我々が、生体機能を評価するにあたり、生体リズムを考慮することが必要です。例えば体温の日内リズムは設定温度が変動することによると考えられています が、設定温度は常に一定であると考えて環境を整えようとすると生体に対する負荷を増加させ、健康や快適性に影響する可能性もあります。生体リズムについて 理解することは、快適性・健康に関する今後の研究・開発に重要であると考えられます。
 近年の研究の進歩により生体リズムがどのように形成されているのかが徐々に明らかになってきています。そこで、生体リズムが健康/快適性に関するシンポ ジウムを企画しました。本シンポジウムでは、生体リズム形成のメカニズムに関する最先端の研究、生体リズムに及ぼす環境の影響、生体リズムが健康に及ぼす 影響について基調講演、研究発表が行われます。
 生体リズムについて理解を深め、健康や快適性に寄与することのできる衣服を含めた生活環境や生活習慣に関する研究・開発につなげることができたら幸いです。

〔日 時〕2021年4月23日(金)13:00〜17:10<終了しました>
〔会 場〕オンライン開催
〔内 容〕
(13:00〜13:05)開会の挨拶
(13:05〜14:05)基調講演1「体内時計と生活時間の不適合による生理機能の恒常性破綻」
  ・・・・・・京都府立医科大学 統合生理 八木田和弘
 体内時計は食・運動・睡眠などの日常行動と密接に関連するが、生活時間(環境時間)と体内時計の慢性的な不適合(ズレ)は、生体の恒常性維持機構に重大 な影響を及ぼし、概日リズム障害と呼ばれる健康問題を生じることが懸念されている。COVID-19感染症拡大による生活様式の大きな変化によっても増加 していると言われる概日リズム障害の病態メカニズムについて紹介する。

(14:05〜14:15)休憩

(14:15〜15:15)基調講演2「生物時計の基本性質と心身の健康との関わり」
  ・・・・・・北海道大学大学院教育学研究院生活健康学 准教授 山仲勇二郎
 ヒトの生物時計には他の哺乳類と共通の性質である光同調とフリーランリズムが存在する他、ヒトにのみ観察される生体リズムの自発的内的脱同調、睡眠覚醒 リズムの部分同調がみられる。最近では、時間栄養学、時間薬理学等、生物時計を考慮した研究領域が確立されつつある。本講演では、ヒト生物時計の基本性質 およびその調節機序、日常生活下での生体リズムと健康との関連性、生物時計の立場からコロナ下において心身の健康を維持するために考慮すべき生活習慣につ いても紹介する。

(15:15〜15:25)休憩

(15:25〜15:55)研究発表1「閉経後女性の肥満と摂食行動リズム?生活環境の影響?」
  ・・・・・・奈良女子大学 鷹股 亮
 閉経後、女性の肥満の発生頻度が増加する。女性ホルモンであるエストロゲンは、摂食抑制・抗肥満、抗うつ作用があることが知られているが、我々は、ラッ トを用いた実験でエストロゲン欠乏による過食・肥満は摂食行動のリズムの乱れが関与することを明らかにした。摂食のリズムを光環境や摂食パターンを調節す ることでエストロゲン欠乏による過食や肥満を抑制できることを報告する。

(15:55〜16:25)研究発表2「生体リズムと健康に関する研究-季節性リズム-」
  ・・・・・・愛知医科大学医学部IR室 佐藤麻紀
 光は体温やホルモンのサーカディアンリズムに影響を与える重要な因子である。冬季における日照時間の減少は、冬季うつ病の発症リスクを上昇させる。これ まで、肥満者、高齢者、小児を対象に体温調節およびホルモンの季節性変動を検討してきた。また、近年、唾液サンプルから時計遺伝子発現を測定し、冬季にお いては時計遺伝子発現が低下することを明らかにした。今回、ヒトにおける体温・ホルモン・時計遺伝子の季節性変動について紹介する。

(16:25〜16:35)休憩
(16:35〜17:05)総合討論
(17:05〜17:10)閉会の挨拶

〔参加費〕会 員(学校)5,000円,会 員(企業・団体・官公庁)8,000円,学生1,000円  非会員(学校)8,800円,非会員(企業・団体・官公庁)11,000円,非会員(学生)1,100円
     ※会員は不課税,非会員は税込金額です.


第62回シンポジウム 「−触感と神経生理反応−」 2021.10.8に開催

 布の風合いを科学的に解明する研究は、繊維科学において1920年代から長きに渡ってなされてきました。1972年には、風合いの構成要素は、織物の形 態および物性、刺激情報の伝播機構、心理現象の3つであることが熨斗秀夫氏によって提唱されています。1970年代後半には川端季雄氏によりKESが開発 されて、主に布の力学的特性(曲げ変形、伸長変形、剪断変形、圧縮変形)・表面摩擦・表面粗さから主観評価に対応する風合いを客観評価することで進んでき ました。「風合い」は「感性」として捉えられることが多いですが、着用時に人が布に触れた時の「肌触り」が「快適性」または「着心地」の主要因の一つとし て捉えられています。しかしながら、刺激情報の伝播機構についは、未だ解明されているとはいえないのが現状です。
 快適性・健康を考えるシンポジウムでは,第44回(2012年),第53回(2017年)で触感,触覚に関する内容を取り上げてまいりましたが,昨今のこ の分野の進歩は目覚ましく、脳科学研究、ハプティクス(ヒトに力、振動、動きなどを与えることで皮膚感覚フィードバックを得るテクノロジー)研究やロボ ティクス技術の研究がさらなる発展を遂げており、触覚知覚メカニズムや触感の定量化が盛んに行われています。
今回のシンポジウムでは,入力としての感覚情報と認知に関する研究および急速な進歩を遂げているセンサ技術を含んだ触感の入力と出力にかかわる認知科学に 焦点をあてた2件の基調講演と2件の応用研究に関する講演を企画いたしました。脳科学研究,触感評価技術研究の基礎と応用を学び、今後の発展につなぐヒン トを得る機会となると共に,新たな触感に関する研究の出発点にもなるのでは,と期待しております。
 本シンポジウムで長年の歴史とともに最先端の研究でもある「触感」研究に触れてみませんか。また、色々な角度からの新しい知見をどう整理したらよいのか、悩んでおられる方は、総合討論で話し合いをいたしましょう。

〔日 時〕2021年10月8日(金) 13:00〜17:10 <終了しました>
〔会 場〕オンライン開催
〔内 容〕
(13:00〜13:05)開会の挨拶
(13:05〜14:05)基調講演1「ヒトの行為を制御する「身体認知」を脳波研究から考える」
   ・・・・・・・・・・・・・京都橘大学大学院 健康科学研究科 兒玉隆之
 ヒトの運動(行為)は、単に受動的に入力される感覚情報のみによって生成されるものではなく、情動や認知を基盤とする能動的な学習経験によって構築され るものである。そして、その経験は身体イメージや行為主体感といった「身体認知」の脳内形成を意味し、これらは行為のみならず社会性を形成する上でも必要 不可欠なものとなる。本講演では、身体認知を神経生理学(脳波)から捉え、再編成へ向けた取り組みについて概説する。

(14:05〜14:15)休憩
(14:15〜15:15)基調講演2「Revisiting softness perception: 柔らかさ知覚を再考する」
   ・・・・・・・・・・・・・東京都立大学大学院 システムデザイン研究科 岡本正吾
 柔らかさ知覚の機序は古くて新しいトピックである。それに特化した受容器を人は有さず、硬さに関する特定の物理量を知覚しているわけでもないことから、 今日まで、柔らかさ知覚の機序は完全に理解されたていない。本講演では、柔らかさ知覚についてこれまでに分かっていることに加え、最近の研究による発見に ついて整理し、議論の機会を供する。

(15:15〜15:25)休憩

(15:25〜15:55)研究発表1「心地よい洗顔料の開発を目指して − 泡に触れたときの心情を脳波でとらえる−」 
   ・・・・・・・・・・・・・(株)ファンケル 猪子和也
 化粧品が肌への効果といった機能だけでなく、使用時の心地よさ・快適さ(使用感)を演出する役割をもつことに着目した。これまで、使用感は官能評価(ア ンケート)によって評価されてきたが、一連の動作が完了した後に実施されるアンケートでは、瞬間的・潜在的な心情を捉えることが困難であった。そこで、本 研究では異なる泡質(感触)をもつ洗顔料を使用したときの脳波測定を実施し、上記課題の解決を試みた。

(15:55〜16:25)研究発表2「ユーザーの個人差を考慮した皮革の触感モデリング手法」
   ・・・・・・・・・・・・・トヨタ紡織(株)  井波 信
 我々の扱う自動車内装製品に限らず、従来の触感の評価手法では、商用の機器で計測した機械特性を説明変数として多変量解析を用いる方法が一般的である。 しかしこの方法ではアンケートの難易度に起因する誤差がユーザーの手指の性質や触り方の個人差と交絡し、個人差の効果まで踏み込んだモデルを得ることが出 来なかった。そこで、我々はユーザーの手指が皮革に触れた際の物理的特徴量を説明変数に加え、ベイジアン構造方程式モデリング(Bayesian SEM)を適用することでアンケート誤差を考慮しながら手指、触り方の個人差の効果を推定できる手法を開発した。

(16:25〜16:35)休憩
(16:35〜17:05)総合討論
(17:05〜17:10)閉会の挨拶
〔参加費〕会 員(学校) 7,000円,会 員(企業・団体・官公庁)10,000円,学生2,000円
  非会員(学校)11,000円,非会員(企業・団体・官公庁)15,000円,非会員(学生)2,200円  ※会員は不課税、非会員は税込金額です。


第63回シンポジウム 「−汗とかゆみのサイエンス−」 2022.4.15に開催

 ヒトの皮膚と衣服とは深い関連があります。着用時にヒトが布に触れた時の「肌触り」は「快適性」または「着心地」の主要因の一つとして捉えられています が、それらの刺激情報の伝播機構についは、未だ解明されているとはいえず、衣服がヒトの皮膚刺激の要因となる事例も少なからず生じています。
 過去の快適性・健康を考えるシンポジウムでは、第54回「衣服が皮膚に与える功罪」において、皮膚と衣服の関係について取り上げました。皮膚生理の基礎 を含めた皮膚障害の発症機序、皮膚障害を引き起こす衣服中の化学物質の探索方法、衣服による皮膚刺激性や有用性の評価方法、衣服の摩擦による皮膚微細構造 の変化、皮膚の保湿機能改善、保湿効果発現の仕組みと着用実験による皮膚への刺激改善などについてお話ししていただきました。
 かゆみ研究は、現在、皮膚科学の最新のトピックスでもあり、発汗は長年の当研究委員会のテーマです。今回のシンポジウムでは、衣服が皮膚に与える影響を 発汗とかゆみに関する最新の知見から考究します。これらの知見を得ることにより、皮膚に優しくかつ健康を促進する衣服づくりのヒントを得る機会となるので はないかと考えます。
 本シンポジウムで長年の歴史を持つテーマと最先端の研究でもある「汗とかゆみのサイエンス」に触れてみませんか。また、色々な角度からの新しい知見をどう整理したらよいのか、悩んでいらっしゃる方は、総合討論で話し合いをいたしましょう。

〔日 時〕2022年4月15日(金) 13:00〜17:10 <終了しました>
〔会 場〕オンライン開催
〔内 容〕
(13:00〜13:05)開会の挨拶
(13:05〜14:05)基調講演1「ヒトはなぜかゆみを感じるのか」
  …………国立遺伝学研究所 高浪 景子
 私たちは生体の警告信号として、痛みや痒み(かゆみ)などの知覚を備えていますが、なぜ痒み感覚は必要なのでしょうか。痛みと痒みの違いとは何か、また その神経基盤の違いについて、ガストリン放出ペプチドとその受容体に着目した研究から、痒みの神経伝達機構と痒みの性差を生む原因について考えたいと思い ます。

(14:05〜14:15)休憩

(14:15〜15:15)基調講演2「汗の関わる皮膚疾患と痒み:最近の話題」
  …………長崎大学大学院医歯薬学総合研究科 皮膚病態学 教授 室田 浩之
 汗は様々な皮膚疾患の病態形成に関わっており、痒みや痛みを生じる原因にもなります。本項では汗の成分や動態に着目した研究成果の紹介を通して汗による皮膚トラブルの成因を紐解くとともに、具体的な患者指導について考えてみたいと思います。

(15:15〜15:25)休憩

(15:25〜15:55)研究発表1「カニ殻由来の新素材「キチンナノファイバー」の肌に対する効果と
実用化に向けた取り組み」
  …………鳥取大学大学院工学研究科 教授 (株)マリンナノファイバー 代表取締役社長 伊福 伸介
 鳥取県の特産品であるカニ。その殻の主成分であるキチンを粉砕してナノファイバーに変換した。キチンナノファイバーは肌に塗ってよし、食べてよし、植物 に与えてよりの多様な生理機能を備える。本新素材の肌に対する効果を中心に紹介する。また、機能を活用した製品化の事例も併せて紹介します。

(15:55〜16:25)研究発表2「メディキュア 衣料から衣療へ−繊維製品の新たな可能性 」
  …………グンゼ株式会社QOL研究所 企画調査室 上島 進
 肌着は肌に直接触れるものですが、かゆみ・汗・刺激などとの関係を客観的に評価した文献は少ないのが実情です。本講演では、大学の臨床研究結果を通じて、肌着が果たす役割の大切さとともに、開発した素材を活用した製品の広がりについてご紹介します。

(16:25〜16:35)休憩
(16:35〜17:05)総合討論
(17:05〜17:10)閉会の挨拶

〔参加費〕会 員(学校)7,000円,会 員(企業・団体・官公庁)10,000円,会 員(学生)2,000円
    非会員(学校)11,000円,非会員(企業・団体・官公庁)15,000円,非会員(学生)2,200円
     ※会員は不課税、非会員は税込金額です。


第64回シンポジウム 「−「蒸れ」という感覚と皮膚−」 2022.10.21に開催

 暑熱環境下や運動時に生じる汗は、体温調節の上で重要な役割を果たしています。汗が体表から蒸発しなかった場合、温熱的な不快感を覚えるだけでなく、著 しい体温上昇が生じます。他方、体表から蒸発した汗が衣服を介して環境へ放出されなければ、衣服中の湿度が上昇することによって蒸れによる不快感を覚えま す。さらに、衣服中が高湿度となると、体表からの汗の蒸発が妨げられて、体温上昇を生じることもあります。また、汗が体表に残留した状態が続くと皮膚の性 状が変化して、皮膚障害が生じることもあります。したがって、汗を衣服に吸収することは、温熱的な観点から、衛生的観点からも、とても重要です。
 そこで、本シンポジウムでは、脳科学からアプローチした蒸れ感の感知機構と、汗による蒸れや汗が皮膚性状にもたらす影響、蒸れ感の低減や衛生維持に繋が る吸湿に着目することとしました。汗による蒸れと温熱感覚、汗と皮膚性状との関わりの理解を深められる内容です。質疑応答や総合討論をとおして、健康で快 適な衣服や生活環境設計に繋がるヒントが得られると思います。ぜひ、皆様の参加をお待ちしています。

〔日 時〕2022年10月21日(金) 13:00〜17:10 <終了しました>
〔会 場〕オンライン開催
〔内 容〕
(13:00〜13:05)開会の挨拶

(13:05〜14:05)基調講演1「発汗のメカニズム・役割と発汗異常症」
  ・・・・東京医科歯科大学 名誉教授 横関 博雄
  汗腺は体表面に分布して汗を分泌する。汗腺の発生、分布、機能、構造の違いよりエクリン汗腺とアポクリン汗腺の2種類の汗腺に分類される。エクリン腺は体 の全表面に分布して主に体温調節の機能を果たしている。アポクリン腺は主に腋窩、乳暈、外陰部に分布し思春期に分泌が活発になり主に体臭を発する。 特にエクリン汗腺の異常症として多汗症、無汗症がある。本講演では発汗の機序と役割、発汗異常症について述べたい。

(14:05〜14:15)休憩

(14:15〜15:15)基調講演2「温熱感覚、温熱的快不快感の定量的評価を目指して」
  ……早稲田大学 人間科学学術院 体温・体液研究室 教授 永島 計
 われわれの温熱感覚、温熱的快不快感は、体温などの内的な感覚と環境に対する感覚の大きな2つの要因によって形成されると考えられている。しかし、これ らの感覚の定量的評価は難しく、未だ、レーティングスケールなどの客観的評価に頼らざるをえないのが現状である。本講演では、脳機能画像や脳波を用いた温 熱感覚、温熱的快不快感の定量性評価の試み、実験動物を用いた基礎研究を紹介する。

(15:15〜15:25)休憩

(15:25〜15:55)研究発表1「異なる温湿度環境下における皮膚振動と触感覚」
  ……文化学園大学 伊豆 南緒美、文化学園大学 教授 佐藤 真理子、名古屋工業大学 教授 田中 由浩
 ヒトがモノに触れる際に知覚する触覚・触感は、 皮膚と対象物の相互作用による振動・変形・圧力・温度などの物理的な刺激を、 皮膚に分布する機械受容器が検出することでもたらされる。 本研究では、衣服の着心地研究の一環として、 皮膚振動に着目した。 今回、 標準環境ならびに高温高湿環境における皮膚振動の変化、 及び皮膚振動と触感との関係性を検討した結果について報告する。

(15:55〜16:25)研究発表2「『JIS L1954生地の経時的吸放湿性試験方法』制定までの経緯とその活用について」
  ……旭化成株式会社 繊維技術開発部/商品科学研究所 主幹研究員 吉澤 知佐
     (一財)ボーケン品質評価機構 未来研究所 技術開発課 課長 坂井 史治
 ヒトの蒸れ感覚に関係する、生地の吸放湿性及び吸放湿速度を定量化する試験方法:JIS L1954「生地の経時的吸放湿試験方法」が今年の3月22日に制定された。本JISの開発背景と狙い、生地の水分率に影響を及ぼす因子を含め、3年間の JIS開発の過程で得られた知見を、JISの概要と併せて解説する。更に、本JISによる測定結果を、素材の差別化や商品設計に活用する事例も紹介する。

(16:25〜16:35)休憩
(16:35〜17:05)総合討論
(17:05〜17:10)閉会の挨拶

〔参加費〕会 員(学校)7,000円、会 員(企業・団体・官公庁)10,000円、会 員(学生)2,000円
    非会員(学校)11,000円、非会員(企業・団体・官公庁)15,000円、非会員(学生)2,200円
     ※会員は不課税、非会員は税込金額です。


第65回シンポジウム 「−圧感覚と快適性−」 2023.4.28に開催

 繊維製品との接触によって人体は少なからず圧力を受けます。圧力の機能として、敷寝具や自動車シートでは体重を支持し姿勢を保持すること、被服やシュー ズではこれらを身体の適切な位置に着装させること、ガードルやブラジャーでは身体を整形することなどがあります。また、圧力の作用によって生じる感覚は 「圧感覚」と呼ばれています。私たちは、適度な圧感覚がフィット感や支持感、快適感、過剰な圧感覚が圧迫感や拘束感、不快感などの心理的作用を引き起こす ことをしばしば経験します。このことから繊維製品設計において、製品がもたらす圧力や圧感覚の功罪を理解することが重要です。
 そこで、本シンポジウムでは、圧力の受容と知覚、圧力の心理的作用と生理的作用、圧力の計測と評価、機能と圧感覚をバランスさせる製品設計の観点の講演 を企画しました。質疑応答や総合討論をとおして、健康で快適な衣服や生活環境設計に繋がるヒントが得られると思います。

〔日 時〕2023年4月28日(金) 13:00〜17:10 <終了しました>
〔会 場〕オンライン開催(Microsoft Teams会議)
〔内 容〕
(13:00〜13:05)開会の挨拶
(13:05〜14:05)基調講演1「触覚受容メカニズムの基礎と触感覚/圧感覚の発現」
   ・・・慶應義塾大学 環境情報学部 准教授 仲谷 正史
 皮膚の中にある生体触覚センサの生理学による理解は、2021年度のノーベル医学・生理学賞における機械受容イオンチャネルPiezosの解明が評価さ れたことで一定の進歩があった。他方で、生理学を通した触覚の理解が、日常で体験する触感覚をデザインするまでには、生理学の理解では足らず、質感科学を 含む人間科学とそれに紐づく工学研究が必要である。講演者がこれまでに行ってきた皮膚科学・神経科学・深奥質感科学の研究を俯瞰し、工学の視点から触感覚 を定量化し、そして再現する技術の現在と展望を述べる。

(14:05〜14:15)休憩

(14:15〜15:15)基調講演2「衣服圧が快適性に及ぼす影響と衣服の設計・評価」
   ・・・京都女子大学 家政学部 教授 諸岡 晴美
 衣服着用時に身体との間に生じる接触圧を衣服圧という。衣服圧の測定は難しく、未だに業界統一の評価基準・方法がないのが現状である。本講演では、衣服 圧の測定方法の考え方、身体の形状(曲率)や皮下組織の柔らかさが衣服圧に及ぼす影響、身体部位による圧感覚の鋭敏度などについて、これまでの研究成果を 紹介する。また、衣服圧利用の機能性衣料の設計についても紹介する。

(15:15〜15:25)休憩

(15:25〜15:55)研究発表1「衣服圧シミュレーションとその応用」
   ・・・信州大学 繊維学部 准教授 堀場 洋輔
 衣服圧は衣服の快適性や機能性を左右する重要な要素の1つであるため,衣服設計において衣服圧の把握は不可欠である.現在のところ圧力センサを用いた衣 服圧の計測が一般的であるが,コンピュータシミュレーションによる衣服圧の推定も普及しつつある.本講演では,衣服圧シミュレーションの原理や課題を概説 するとともに,筋骨格シミュレーションと連成した衣服の動作快適性評価などの応用事例についても紹介する.

(15:55〜16:25)研究発表2「機能と圧感覚をバランスさせる製品設計」
   ・・・株式会社ワコール 人間科学研究開発センター 坂本 晶子
 ブラジャーやガードルなどの下着は、からだにフィット(適合)し、動作時もフィット(適合)し続け、常にからだへの圧をかけているという特徴がある。ま た、着用者は、ブラジャー着用において、造形感、圧迫(締め付け)感、安定(動きやすさ)感、肌触り感を感じ分け、好みのブラジャーを選択しており、必要 な機能を圧感覚とのバランスをとりながら製品設計することが重要である。今回は、バストの形を整え美しく見せるともに、重力の影響を軽減させる機能を実現 したブラジャー開発について紹介する。

(16:25〜16:35)休憩

(16:35〜17:05)総合討論
 シンポジウムの総括として講演者と参加者を交えた「総合討論」の場を設けている。
この総合討論では、それぞれの基調講演と研究発表において焦点があたった技術要素を一連の問題として相互に紐づけることに加え、シンポジウムのテーマであ る「圧感覚と快適性」を理解するために必要な視点と課題について議論する。本シンポジウムを足がかりとして参加者がそれぞれの立場で展望を拓くことができ るよう、総合討論を「俯瞰と着想」の機会にしたい。

(17:05〜17:10)閉会の挨拶

〔参加費〕 会 員(学校) 7,000円、会 員(企業・団体・官公庁)10,000円、学生2,000円
  非会員(学校)11,000円、非会員(企業・団体・官公庁)15,000円、非会員(学生)2,200円
  ※会員は不課税、非会員は税込金額です。


第66回シンポジウム 「−性差と快適性研究−」 2023.10.13に開催

 近年,生理的・生物学的性差の解明について,多くの議論がなされるようになりました.歴史的には,1977年米国食品医薬品局(FDA)が「妊娠の可能 性のある女性を薬の治験に参加させないこと」との通達を出して以来,多くの生理医学研究が男性のみを対象に行われてきました.また,ともすれば男女を同じ ように扱うことこそが是とされる時代背景もありました.しかし,生理的・生物学的性差に目を向け,性差への対応がなされた環境,製品,サービスを考えるこ とが,社会文化的性差による不平等や差別を是正し,私たちの生活の質を向上させ,健全な科学の発展に資すると,現在,様々な分野で,性差の視点を重視した 研究開発が進められています.
 第66回シンポジウムでは「性差と快適性研究」をテーマといたします.
 基調講演1では,性差医療情報ネットワーク理事長天野恵子先生から「性差と加齢」と題し,性差医療,特に加齢にエストロゲンがどのように関わってくるか について,解説いただきます.基調講演2では,お茶の水女子大学ジェンダード・イノベーション研究所所長石井クンツ昌子先生から「ジェンダード・イノベー ション研究と社会実装の展開」について,これまで性差が見過ごされてきた事例も含め,解説いただきます.研究発表1では,株式会社マンダム先端技術研究所 の山口あゆみ氏より,男性をターゲットにした化粧品開発の視点から,性差の理解と製品設計についてお話いただきます.研究発表2では,昭和大学医学部内田 有希先生より,冷受容分子を介した女性ホルモンの体温調節作用についてお話しいただきます.総合討論では,これらの基調講演,研究発表を基に,性差の視点 から,これからの快適性研究のあり方について皆様と共に考究します.多数のご参加をお待ちしております.

〔日 時〕2023年10月13日(金) 13:00〜17:10 <終了しました>
〔会 場〕オンライン開催(Microsoft Teams会議を予定)
〔内 容〕
(13:00〜13:05)開会の挨拶
(13:05〜14:05)基調講演1.「性差と加齢」
   ・・・・・性差医療情報ネットワーク理事長 天野恵子
 性差医学(医療)とは、男女比が圧倒的にどちらかに傾いている病態、発症率はほぼ同じでも男女間で臨床的に差をみるもの、いまだ生理的・生物学的解明が 男性または女性で遅れている病態、社会的な男女の地位と健康の関連などに関する研究を進め、その結果を疾病の診断、治療法、予防措置へ反映することを目的 とした医療改革です。今回は、女性の加齢にエストロゲンがどのように関わってくるかについてお話します。

(14:05〜14:15)休憩

(14:15〜15:15)基調講演2.「ジェンダード・イノベーション研究と社会実装の展開」
   ・・・・・お茶の水女子大学ジェンダード・イノベーション研究所所長 石井クンツ昌子
 これまでの多くの研究や開発は男性が担ってきたため、無意識のうちに男性を基準として進められ、性差が見過ごされてきた。この問題の解決へ向けて、積極 的に性差・ジェンダー差、そして人種や世代などとの交差性を取り入れた研究・開発のデザインを組み入れることで知の再編成を促しイノベーションを創出する のがジェンダード・イノベーションの基本的な考え方である。本講演ではこれまで性差が見過ごされてきた事例を提示しながら、ジェンダード・イノベーション の現状と今後の課題について概観する。

(15:15〜15:25)休憩

(15:25〜15:55)研究発表1.「性差の理解と製品設計 〜肌研究と快適性研究の視点から〜」
   ・・・・・株式会社マンダム 先端技術研究所 山口 あゆみ
 我々マンダムでは、男性特有の肌状態や感覚的な事象の存在を見出し、男性をターゲットにした化粧品開発にも注力してきた。男性の肌では、皮脂の分泌過 多、加齢に伴って目立ちやすくなる肌表面のギラつき感など特有の事象があり、このような性差を理解し、製品設計に活かすことが重要である。今回は、皮膚の 加齢変化について過去の女性肌研究と比較した知見や、さらに快適性研究における性差の視点で得られた知見についても紹介したい。

(15:55〜16:25)研究発表2.「冷受容分子を介した女性ホルモンの体温調節作用−ヒトと動物の基礎研究−」
   ・・・・・昭和大学 医学部 内田有希
 女性の月経周期は寒冷時の温度快適性に影響する。我々は、皮膚感覚神経の冷受容分子TRPM8、TRPA1、TREKを介した女性ホルモンのエストロゲ ンの体温調節作用を、雌ラットと若年女性において検討した。各作動薬を用いた実験により、エストロゲンはTRPM8、TREKを介した体温調節作用がある ことが示唆された。

(16:25〜16:35)休憩
(16:35〜17:05)総合討論
(17:05〜17:10)閉会の挨拶

〔参加費〕 会 員(学校) 9,000円,会 員(企業・団体・官公庁)13,000円,学生3,000円
   非会員(学校)13,000円,非会員(企業・団体・官公庁)17,000円,非会員(学生)3,300円
     ※会員は不課税,非会員は税込金額です.

第67回シンポジウム 「−ヒトを測る−」 2024.4.19に開催
 第67回のシンポジウム5年ぶりに対面での開催を予定しています。テーマは「ヒトを測る」とし、人の快適性や健康に関連する最新の評価技術やその事例研究について紹介したいと思います。
コロナ禍はようやく終息の傾向がみられますが、この間、社会環境は大きく変化してきました。研究、開発においてはサステナブル視点での研究、開発が多く見 られますが、市場における新しい機能商品はやや勢いがないようにも感じられます。一方で、大学、企業において新しい研究の芽は日々進んでいると思われま す。
 新しい研究、商品開発には視点の新しさや新規な評価技術、幅広い分野の皆様との交流が大きなヒントになります。このシンポジウムの大きなテーマである 「ヒトの快適、健康につなげる」ために、今回は、まず新しい視点でヒトを測ることに焦点をあて、シンポジウムを企画いたしました。
 人間工学的な視点から感性、五感、また、新しい評価技術の試みと様々な角度からヒトを測ることについて知識と議論を深めていただき、そしてそれが快適性、健康に関連する研究、開発につながれば幸いです。皆様のご参加をお待ちしております。

〔日  時〕 2024年4月19日(金)10:00〜17:00 <終了しました>
〔会  場〕 キャンパスプラザ京都 4階第4講義室
     600-8216 京都市下京区西洞院通塩小路下る東塩小路町939
〔内  容〕 
(10:00〜10:10)開会の挨拶

(10:10〜11:20)基調講演1「人間拡張技術で創る快適で健康なくらしとしごと」・・・・産業技術総合研究所フェロー 持丸 正明
 人間拡張技術では、さまざまなウェアラブルセンサによって人の身体・心理状態を観測したり、また、それを通じて人に介入したりすることで、人の心身の状 態を一時的に、恒常的に変容させることを目指している。人の心身状態を変容させることで、自らの健康維持増進に効果的に取り組み続けるようにしたり、業務 の生産性を向上させたりすることができる。人間拡張技術の要素技術と実用例を紹介する。

(11:20〜11:50)研究発表1「瞳孔・眼球運動に現れる脳の状態」・・・・中部大学理工学部 平田 豊
 「目は口ほどにものを言う」。近年、それを証明する神経科学の知見とヒトの状態推定への応用例が蓄積されています。瞳孔・眼球運動の制御には大脳皮質の みならず、小脳や脳幹などに広く分布する様々な神経核が関わっており、注意や覚醒など多様な脳の状態が瞳孔や眼の動き反映されます。本発表では。こうした 瞳孔・眼球運動を指標とした、ヒトの状態モニタリング法について我々のこれまでの研究を中心に紹介します。

(11:50〜12:50)昼食休憩

(12:50〜14:00)基調講演2「五感工学とクロスモーダル技術がもたらす社会的インパクト」・・・・横浜国立大学 大学院環境情報研究院 岡嶋 克典 
 五感工学とは五感それぞれの特性を測定して工学的に応用する、または五感を意図的に刺激する技術の総称であるが、2つ以上の感覚を同時に刺激した際に生 じる現象であるマルチモーダル効果と、ある感覚が他の感覚を変調させるクロスモーダル効果があり、それらの活用も重要である。今回は、視覚系を中心に五感 工学とクロスモーダル技術について最近の知見を紹介するとともに、これらがもたらす社会的インパクトについて言及する。

(14:00〜14:10)休憩

(14:10〜15:20)基調講演3「計測を拒む美と快を測る〜ハイパーソニック研究の実例から〜」・・・・国立精神・神経医療研究センター 本田 学
  非破壊的に脳活動を観察する脳機能イメージングの発達により、さまざまな脳機能を計測し可視化することが可能になった。しかし、感情・感性、特に「美 と快」などポジティブな感性に伴う脳活動の計測には、反応の個別性、計測に伴う不快感、感性脳反応の独特な時間特性など、多くの障壁が存在する。本講演で は、計測されることを拒む「美と快」をいかに計測するか、耳に聞こえない超高周波音を豊富に含む音が、音や映像の美しさ快さを高める現象ハイパーソニッ ク・エフェクト研究の実例を踏まえて紹介する。

(15:20〜15:50) 研究発表2 「製品・サービス開発における人の快適性・機能性評価」・・・・ミズノ株式会社 田中 啓之
 弊社は創業から100年以上にわたり様々なスポーツにおける製品やサービスを開発している。近年はスポーツの定義を競技だけでなく働く人や日常生活の身 体活動にまで拡大し、スポーツで人と社会を幸せにすることを目指して日々研究・開発に取り組んでいる。今回は、より良いパフォーマンスの発揮やトレーニン グ効果を高めることを目的とした、ヒトの動きや生体内の変化に対する科学的アプローチについて最近の開発事例を元に紹介する。

(15:50〜16:00) 休憩

(16:00〜16:45) 総合討論

(16:45〜17:00) 閉会の挨拶・名刺交換会

〔参加費〕 会 員(学校) 9,000円,会 員(企業・団体・官公庁)13,000円,学生3,000円
   非会員(学校)13,000円,非会員(企業・団体・官公庁)17,000円,非会員(学生)3,300円
     ※会員は不課税,非会員は税込金額です。


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